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【2005年12月】

あと12時間の2005年
(12月31日)

 子どもたちがいた頃は、28日の御用納めが済むと、それぞれに担当を決めて大掃除、そして大晦日はお節料理つくり、というのが恒例でした。
 しかし、一人、一人と子どもたちが家を出て、新年に顔を合わせるのも3日、というのでは、お節をつくり張り合いもなくなり…。
 ちょうど今年の年末は、97才になった高齢の舅の荷物を家に引き取ったりで、その荷物片づけのついでに、不要品の片づけなに追われて、あっというまに大晦日になってしまいました。
 
 やっと、12月議会の一般質問の議事録をアップし、これから気になった所の掃除をして、ゆっくり行く年を送ろうと思っています。

 年々、大晦日には、今年はいろんなことがあったと思うようになっていますが、今年も例にもれず…。
 個人的にも、様々な方が無くなって悲しいお別れがありました。
 社会に目を転ずれば、子どもたちの大切な命が奪われた数々の悲しい事件があり、たくさんの方の命が奪われた事故があり…。
 総選挙の結果、自民党が衆議院の過半数を占めた国会では、障害当事者の反対の声もむなしく「障害者自立支援法」がアットいう間に成立し、65才以上の高齢者の所得税課税が厳しくなったり、高齢者医療費の助成が削減されたり、そして、母子家庭に対する手当のカット等々。小さな政府、歳出抑制の波の中で、次々に社会的弱者に対する福祉施策が後退しています。
 そんなところを削らなくても、もっと削ってほしいいところはたくさんあるのに…。
 
 と思うこのごろ、せめて地方は、顔の見える関係で、支え合って生きられる地域づくりをがんばっていかなければ、と思います。
 一般質問のテープを起こしていると、改めて、市長が本当に「地域コミュニティの再生」に力を入れていけるよう、議会としてもがんばらなくては、と思いました。
 今年もみなさまには本当にお世話になりました。ありがとうございます。心から御礼申し上げます。

今年もクリスマスが
(12月25日)

 今年も早いもので、わらじの会の「みんな一緒のクリスマス」の日となりました。
 もう20年以上続いている、このクリスマスになると、年末なんだという実感がわきます。
 仕切り役も準備も、介助スタッフの若者たちですが、オバサン軍団は健在で、それぞれの1品持ち寄りを、テーブルごとの大皿に、豪華に盛りつけていきます。
 
 毎年恒例の自主制作ビデオ、今年は「障害者自立支援法」をもじって、綱吉の時代に「障害者哀れみの令」が発布されたのとの設定の時代劇。編集した面々の豊かな才能と、障害を持つ人たちも含めての演技力に、感心したり笑い転げたり…。
 ダンス、バンド演奏と会場は盛り上がり、一年が締めくくられました。


<さいたま市議の傳田ひろみさんと>

自分さえよければ病
(12月24日)

 朝、「春日部の川クリーン会」の川掃除に。
 岩槻(正式にはもうさいたま市岩槻区)との境、アピタ脇の堀のゴミをゴミ袋50袋分くらいすくい上げたのですが、椅子やテレビなどの大型ゴミやすくい上げきれないゴミが、心残りでした。
 わざわざスーパーの袋に入れたゴミを川に投げ込む…、キット、自分の目の前からゴミが消えてしまえばいいと思っているのでしょうが、そのゴミが川を汚し、海を汚している、という想像力を、いつから失ってしまったのでしょう。
 マンションの耐震度偽装疑惑といい、「自分さえよければ病」が蔓延した感のある世相…。

 来年は、もっと希望のもてる流れをつくりたいと、どろんこの服を着替えて、「さいかつ九条の会」の例会へ。
 若い世代に関心をもってもらうためのアピールの仕方など、話合いました。
  

議会最終日に提出された追加議案、人事案件と意見書
(12月22日)

 日付は22日ですが、プライベートなことで23日、24日と時間がとれず、書き込みが25日になっています。報告が遅くなってごめんなさい。

 12月議会の最終日は、前半は、各常任委員会に付託された議案の質疑・討論・採決結果の委員長報告です。
 その後、委員長報告に対する質疑(これは特別なことがない限り行いません)、そして議案ごとの討論、採決となります。
 討論も採決結果も、委員会で大体予想がついているので、ここまでは粛々と進みます。

★叔母の兄弟は、血縁とみなさなくていいのかが問題になった監査委員
 市長が変わったため、市長が新たに選任し、議会に同意を求める委員は、以下の通りです。
・監査委員会委員(3人)
・固定資産税評価委員(3人)
・公平委員会委員(3人)
・教育委員会委員(5人)
・人権擁護委員(これだけは推薦に対する意見具申のみ)
 
 通常、人事はよほどの理由がない限り同意します。不同意はいわば、市長に対する不信任案に近いものになってしまうからです。
 ところが、今回の監査委員3人のうち、1人が、市長の親戚筋である、ということが判明しました。
 法律上では、3親等以外であれば、監査委員への選任は問題ないとされています。
 「フォーラム春日部」の正木議員が質疑に立った結果、市長の口から「父親の弟の妻の兄弟」、つまり叔母さんの兄弟と判明。
 法律てきに問題はないといっても、監査委員は、市長の行政運営に不正な点がないかどうかも監査することになるため、身内に近い人間の選任は避けるべき、として「フォーラム春日部」は反対しました。
 ほかに反対したのは、共産党のみで、他の議員は同意しました。

★怪文書まで飛び交ってしまった教育長人事
 昨日の各派代表者会議で、「教育長が交代するので、議会終了後に退任挨拶がある」との説明があったとのことで、会議終了後、会派で打ち合わせ。ところが、議案として教育委員候補の名簿が提出されるまで、極秘とのことです。
 教育委員会は、教育の独立性を守るために、議会と同じく市長直轄の組織になっています。
 「では次の教育長は?」と、探るヒントは、議会事務局に届いた怪文書。
 それには、「石川市長が教育長候補としている○○氏は、こんなとんでもない人物」とありました。
 さてどうするのか。
 とりあえず、教育長という、今後の春日部市の教育を左右する職に就く人の情報が少な過ぎる、ということで、質疑などを通して新教育長候補の人物像と、市長がどんな判断で教育長に推しているのか、明確にするしかないだろうと、合意しました。

 さて、最終日の朝、突然、
「教育長の退任はなくなったので、議会日程を変更する」とのことで、各派代表者が開かれました。
 結局、教育委員会は、全員、現在のメンバーで継続することになりました。市長の人事に、最大会派である彩政会からクレームがついて、市長が撤回したとのこと。
 これは、とても残念な結果です。市長が提案した人事が否定されないようなやり方をしてほしかったと思います。

★安易に賛成できない意見書
 議員提出議案である意見書のうち、「フォーラム春日部」は、3本の意見書に反対しました。

・鍼灸の治療は慎重さが必要
 鍼灸治療を介護保険の中で行うように、という一項目が入った「介護予防策に関する意見書」これは、請願が意見書として取り上げられた物ですが、委員会の時と同じように、鍼灸治療は、慎重に取り扱うべきとして反対。
・義務教育国庫負担制度堅持
 これについては「全国市議会議長会」からの要望を受けて「真の地方分権改革の確実な実現を求める意見書」と内容が矛盾することから、反対しました。
・安易に行ってはいけない耐震偽装の被害者補償
 耐震偽装問題での緊急対策を求める意見書については、「建て替えも含めて、入居者の希望が速やかに実現するよう」という一項目があり、これには疑問なので、反対しました。

 「フォーラム春日部」が提出した次の3本の意見書は、前会一致で採択されました。
・生活保護制度に関する意見書
・住民基本台帳の大量閲覧制度の制限に関する意見書
・裁判員制度開始に向けた環境整備に関する意見書
 以上です。


問題の本質を、みんなで考えたいマンション構造設計図の偽装問題
(12月21日)

 本日は休会日。
 というわけでタイミング良く、首都圏の自治研究センターが急遽開いてくれた「建物の安全と行政責任」ー耐震強度偽装問題の法構造と実態を考える検討会ーに参加することができました。

 プログラムは
1指定検査機関の責任と法構造(千葉大学法科大学院・鈴木庸夫氏)
2 対震強度偽装問題・民事責任の観点から(千葉大学法学部・小賀野晶一氏)
3 建物の安全と建築確認の実態・建築確認事務の実情と問題点(株式会社みなと都市整備公社・武田慎次氏)
 という内容の濃いものでした。

 鈴木先生のお話から、行政が行っていた「建築確認審査」を「指定確認検査機関」という民間会社に開放したことに対して、あくまでも許認可権は行政がもっているのだから、行政と民間の検査機関の責任は一体である、とする説と、民間が請け負った段階で、行政の責任は民間検査機関に移行しているという説が半々で、今後の法解釈がまたれることが分かりました。

 小賀野先生のお話は、損害賠償請求訴訟が起こされた段階で、果たして連帯責任になるのか、分割責任なるのかが分かれ目で、これも今後の司法判断、とのこと。

 武田氏も、自治体の本来業務である建築確認申請が民間検査機関のみなし行為の判断については、今後の十分な論議が必要とのことでした。

 民から官へ。小さな政府論の中で、この動きは加速し、「指定管理者制度」の移行まで半年となった現在、賠償責任も視野に入れて、じっくり考えなければならないことを痛感しました。

 中でも、官民競争で、質の向上が叫ばれていたのに、実際には競争原理の中で、価格競争やスピード競争が起こり、実際には質の低下が起こったいる、という指摘には、うなずかされるものがありました。

 民にできることは、と官が担わなくてはならない本来業の仕分けを、きちんと議論する必要がありそうです。

 ところで、この偽装問題について、興味のあるブログがメーリングリストで流れてきました。「きっこの日記」というものです。是非是非、一度、リンクしてみてください。渦中の馬淵議員や「イーホームズ」の藤田社長の書き込みがあったり、ちょっと驚きの内容が満載です。


またまた、時間切れの一般質問。再質問でつっこめず
(12月20日)

 本日は、一般質問の5日目、私は6番目に質問に立ちました。
 たくさんの傍聴、心強い応援です。ありがとうございました。
 
 質問は2点、
1 介護保険制度改正に対する、春日部市の対応について
2 市長の所信表明における現状認識について
 でした。
 詳しくは、なるべく早くテープを起こしてアップしたいと思いますが…。

 1回目の質問は、あっさりと5分くらいで切り上げるつもりだったのですが、もし、答弁が長くなると、なぜ、このような質問をしたのか、という主張ができなくなる恐れがあるため、結局、13分ほどになってしまいました。
 答弁が10分として、再質問は15分ほどかけられると思っていたのに…。
 なんと市長答弁の長かったこと! 今まで木で鼻をくくったような答弁が多かったのになぜ?
 結局、再質問・答弁合わせて12分しか残らず、またまたツッコミ不足の不消化に終わってしまいました。
 持ち時間45分では、一つだけに絞ったほうがよかったかと反省! です。
 しかしながら、「市長の現状認識なので、市長のお考えを市長ご自身の言葉で」と注文したのに、総理府統計まで持ち出したのはなぜ!

★独自の施策がほしい、介護保険予防給付
 介護保険改正については、
@予防に重点が置かれるが、どんな体制がとられ、市独自では、どんな施策を考えているのか
A施設介護から在宅介護へ、そのための要となる地域包括支援センターは、具体的にどのように設置するのか
 の2点について質問しました。
 なんと、長々、国の制度で行われる新予防給付の説明があり、途中で「春日部市独自の施策はどうなるの」とやきもき。
 本当は、再質問で具体的に、「見守り訪問」や「配食サービスの活用」、「高齢者のたまり場や1人ひとりの望みに合ったミニデイサービス」などを求めていくつもりだったのですが…。
 これは「地域密着型介護」の問題と合わせて、3月議会で取り上げようと思います。

★事業所におかれる「地域包括支援センター」で大丈夫?
 「地域包括支援センター」人口2万人から3万人に1カ所設置するのが、目安になっています。
 春日部市では見事に3万人をとり、8カ所!
・これできめ細かい対応ができるの?
・事業所に所属する主任ケアマネージャーが、地域のケアマネージャを束ねる役目が果たせるの?
・地域のボランティアと協力して在宅介護を支える仕組みが求められるのに、事業所でその場が確保できるの?
 再質問で辛うじてつっこめたのはその点だけでした。
 結局、「財政的な問題もあり」とのこと。

 もっと粘り強く、要求していく必要性を感じました。

★地域コミュニティの復活が大切、という市長の見識には大賛成
 市長には、「子育て日本一」という基本方針に関して
1 子育て支援で若い世代の転入をはかり税収増を
 と述べている点に関して、
「今、地方自治体の抱えている問題は、少子化と共に高齢化の問題ではないか。いろんな世代のうち、子育て世代の問題を最重点課題にしたのはなぜか」
「現状の春日部市では、地価が安く、家賃も安いので、若いうちは春日部で暮らしても、ゆとりができた段階で、他の市町に転出する例が多いのではないか。それで本当に税収増につながると考えているのか」
 「住んで良かった、住み続けたい街、春日部にしたい、という目標と、どうリンクさせるのか」の3点について質問しました。

 長〜い答弁のポイントは、
 「少子化を解決することは、将来的に市の財政基盤につながる」
 ということのようですが、最後に、
「住んで良かった、住み続けたい春日部を実現するためには、地域コミュニティの復活がポイント」
 との答弁がありました。
 街づくりは、市民と協働で、とのことです。

 そこで、再質問では、地域コミュニティをつくり、様々な市民の参加を促すためにも、まず高齢化の進んでいる武里団地周辺に、そのための場を、場としては、廃校になった旧沼端小学校の利用を」        と市長と質しました。

 「前向きに検討したい」
 との答弁でしたが、是非、具体的な要望を出していきたいと考えています。
 もし、こんなことを、というご意見、希望がありましたら、お寄せください。

なかなか市長の本音が聞かれませんが…
(12月15日)

 議会は、13日から一般質問がはじまっています。13日、14日と、17人の議員が質問しました。
 石川市長が誕生してはじめての議会、ということで、多くの議員が市長の公約や、所信表明演説についてふれ、「具体的にどんな施策で公約を実現するのか」、「所信表明に掲げた目標は、どんなことをいつまで実現するのか」と迫るのですが、なかなか市長の本音は聞かれません。
 これから、市長の市政が反映される18年度予算編成まで、もう議会はないのですから、何とか具体的な施策を、と質問する議員は真剣ですが、市長もこれから現課と調整を薦める段階で、なかなか具体策までは提示できないのでしょう。

 そんなやりとりの中で、
・乳幼児医療費、自己負担分の助成の年齢の拡大
 これは18年度の当初予算に盛り込まれそうな雰囲気です。おりしも上田知事も、就学前まで無料にする助成を示唆しています。
 これについては、複雑な思いがあります。この無料にするための助成の負担が、どこにしわ寄せがいくのか。これによって、受診がのびれば、結局、医療保険の中の医療給付費の増大につながり、健康保険税の値上げを招かないか、という不安もあります。
 老人医療費のノビと合わせて、診療報酬の見直し、薬価基準の見直しなど、制度の徹底的な議論がほしいと思いますが、制度改革も、高齢者の自己負担割合の引き上げと、診療評週の若干の引き下げにとどまりそうです。
 ヨーロッパのように、生活習慣病のように、自己コントロールできる病気と、不可抗力の病気の仕分けをするなど、医療だけに頼らない健康づくりの方策も、検討すべき時期だと思うのですが…。

・市民が主役の実現のために
@(仮称)市民参加条例を制定
A各種審議会委員は、必ず公募委員を含める
B市長が出前懇談会を定期的に行う
 以上の3点が示されました。
 大いに歓迎すべきことですが、「市民参加条例」制定に当たっては、審議会だけでなく、住民アンケートや市民ワークショップなどを重ねて、多くの市民の声を反映できるものにするよう、求めていきたいと思います。

・環境基本条例の制定
 旧春日部市の環境基本条例は、生態系への配慮、生物多様性を大事にした、とてもよいものになっていたと思います。
 合併直前につくられた旧庄和町の条例はまだ精査していませんが、市長が公約に掲げた「環境保全都市」実現のために実効性のある序プレイになるよう、これも目が離せません。

・真の対等合併の実現のために
 
三枝前市長が前庄和町長から強く要望された、
@水道料金の、春日部地域との統合
A庄和図書館の実現
B議員の報酬の格差是正
 この点について、庄和地域の議員から鋭い追求を受けました。
 水道料金は、18年4月から統一すると言明。図書館整備は、できるかぎり早期にとの答弁にとどまっています。住民参加でまとめた構想をきちんと実現するかどうかについて言及した議員がいなかったのは、ちょっと疑問に思いましたが…。
 議員報酬については、報酬等審議会に諮る、との答弁にとどまっています。
 私は、合併前は、同一待遇であれば、即解散・選挙、と主張してきました。特例で身分を延長するということは、報酬も選挙されたときの条件に準ずるべきではないかと思うのですが、確かに、机を並べて同じ仕事をしている議員同士で格差があるのは、不自然ではあります。
 が、合併をスムーズに進めるために、ということで、やはり庄和地域の議員は、旧庄和町の観点に立っている点も否めません。即選挙、というのが最も合理的だと思わざるを得ないのですが…。

・むずかしい「諮問」の判断
 
さて、最終日を待たずに、諮問について、議会の承認を求める案件の採決が行われました。
 諮問の内容自体は、図書館の本やビデオ、CDの予約に関することで、20冊までと制限され、個人の権利を侵害された、という不服請求に対し、市が「規則に定めてあり、周知している」ことから、請求を却下することに対する承認事項です。 
 しかし、このような案件が議会の諮問に付されることは前例がなく、私たち「フォーラム春日部」は請求人の訴えを聞く場を設けるべきではないかと、何度か議会事務局と協議しました。
 自治法には、弁明の場を設けるという決まりがないことから、市側の説明のみで判断することになりましたが、もし、内容が違ったものだったら、と思うと、弁明の場を設けることを原則にすべきではないかとの疑問は残っています。
 最終的には、法令に照らして問題がないことから、承認することにしましたが…。

 こんな風に、議会の議事は進行しています。お時間のとれる方は、是非、傍聴にお出かけください。 

行政のできること・できないこと
(12月11日)

 越谷市が、ハローワークを新設する際、産業振興と雇用対策の拠点として「産業雇用センター・ステップワークこしがや」を開所し、それと同時に「障害者就労支援センター」をオープンして9ヶ月がたちました。
 本日はその就労支援センターを受託している「NPO障害者の職場参加をすすめる会」の「共に働く街を創るつどい2005」が開かれました。
 そもそも、越谷市が2000年、「地域適応支援事業」として、障害者の市役所での職場実習などを受け入れ、以来、当事者や関係者と協議を重ねて、「生活支援センター」開設し、さらに、福祉的就労ではない、障害者の働く場について模索してきた延長に、この事業があります。

「NPO法人職場参加をすすめる会」は、そのときに任意団体として、民間事業所にも職場実習の場を、と活動してきた「職場参加を考える会」が、「就労支援センター」オープンに伴って法人化した組織です。

 本日は、越谷市の助役さん(市長の代理として)、障害福祉課長さんなども出席してあいさつして下さいましたが、一番うらやましいと思ったのは、そもそも「東京電力」が撤退した跡地を、民間に売却されて、マンションになってしまってはもったいないと、市が買い取り、「ハローワーク」としてリニューアルしたとの話。
 廃校になった小学校跡地を、民間の住宅会社に売却してしまう、春日部市とのこの感覚の差は、単に財政力の問題だけなのでしょうか。

 ともあれ、このハローワークの隣の建物には、起業支援のコーナーもあります。3年間という限定で、起業したばかりの事業所に格安で場所を提供する試みも。

 そのインキュべーションセンターで事業を始めた荒井さんのお話は、女性が働くことの難しさと、それを切り拓いていくエネルギッシュな体験に満ちあふれていました。
 そして障害当事者の働き続けることの困難さの話、などなど、働くってなんだろうと考えさせられました。
 昨今社会問題となっている、構造計算書偽造で登場する方々が、いかに儲けるか、という視点で仕事をしてきた延長上に、大変な事態を招いてしまったこと。さらに証券会社の売り注文のミスで、400億円以上の損害を被った会社もあれば、何分間で何千万円もの利益を手にしてしまった人たちのニュースなど…。

 障害者が働くということは、いわゆる作業所などの福祉的就労とはちがいます。もうけの追求だけでない働く場ということについて、もっと考えていけたらと思います。
 そういう場だったら、障害を持ち人だけでなく、様々な立場の人が自分なりの働き方を見つけ、働き続けられるに違いありません。それはやはり、市民の力だけでは無理で、ここに、行政の支えが欲しいと思います。

 ちなみに「障害者就労支援センター」は、この9ヶ月で、15人の就職にこぎつけたとのことです。これは「職場参加をすすめる会」が運営している「世一緒」という場で、背後から様々な支援をしていることも、大きな力になってのこと。
 行政ができることをがんばり、できない部分は地域が力を合わせて支えていくことの成果を見たような気がしました。
 こんな事業を、春日部市の中でも展開していけるように、もっともっと、がんばっていきたいと思います。

合併後の新市の予算、そして48人の議員。気が抜けない12月議会(12月10日)

 12月議会がはじまって2週間がたちました。
 合併後、市長選挙に出た4人の議員が辞職・失職したとはいえ、48人の議員が席を占める、大所帯の議会。連日、会議のある日は6時、7時まで、休会日は議案の調査に追われ、ホームページの更新もままならない日々を送っていました。ごめんなさい。

★今回の一般質問、持ち時間は45分に短縮されました
 昨日までに、議案に関する本会議質疑と、委員会質疑が終わりました。
 来週からは、各議員の、市政に対する一般質問がはじまります。
 発言通告者が41人、ということで、質問・答弁合わせて1人45分、という時間制限が設けられました。かなり効率的な質問を練らなくてはいけません。
 合併後、半年間、在任特例を使って任期を伸ばした段階で、両議会合わせて52人の議員、という構成は分かっていたはずで、会議規則では1人1時間となっている持ち時間を減らすのはおかしいと、私の所属する「フォーラム春日部」では、各派代表者会議で主張しましたが、大多数の会派は「30分にすべし」という意向。やむなく折衷案とも言える、45分となりました。
 市長選挙後、はじめての議会、ということもあって、市長の所信表明に関する質問が目立ちます。
 私も、「子育て日本一、そして商都の復活で人のにぎわう春日部を」という、所信表明の3点目のビジョンに関する、現状認識を党予定です。
 是非、多くの方々の傍聴をお待ちしています。

★税金の不必要な支出に反省は?
 例年、12月議会は補正予算案が主な議案になるのですが、今回は、新市長が誕生したことに伴う、17年度10月〜3月の本予算案が組まれています。
 この本予算は、旧春日部市と旧庄和町の当初予算を合算し、9月30日に行った打ち切り決算を引いて計上しているものです。
 そこで、旧春日部と庄和の当初予算書をつき合わせてチェックしたのですが、細かい事業内容になると、春日部市と庄和町で微妙に違い、かなりてこずりました。
 私は、福祉と保健の分野を担当したのですが、最終的には、それぞれの課ごとに春日部・庄和で事業内容が異なる部分と、それをどう統一したのかの一覧表や、障害福祉の支援費や介護保険の実績一覧表を提出してもらってから、やっとチェックにとりかかることができました。
 担当課もかなり大変だったと聞きました。忙しい時期に取り組んでくれたことは感謝しますが、しかし、これは予算編成の基礎資料のはずです。対等合併といわれるこの合併、予算の上でもきちんと反映されているのかどうか、サービス内容が低下していないかについて、主にチェックしました。
 しかし、このような資料請求をしたのが、私たち「フォーラム春日部」だけなのは驚きです。他の議員の皆さんは、資料なしで予算書を読み解くことができたのでしょうか?

 本会議では、旧谷中小学校の跡地を売却した後に、下水道の本管が埋設されていた問題を取り上げました。
 下水道管が埋まっている部分は、市が買い戻すことになった、との説明を受けていたのですが、その面積、約75平方メートル。売却価格約475万円(1平方メートル6万3,300円)に対して、買い戻し金額1,125万円(1平方メートル約15万円)。なんと、倍以上の価格で買い取ることになります。
 こうなった理由については、
1 業者の要求は、下水道管の付け替え。そうなると、費用が4千万円以上かかり、工期が半年に及ぶ。
2 業者の行っている造成工事が遅れると、販売計画に影響し、損害賠償を請求される恐れがある。
 とのことです。
 私は、民間業者との交渉に当たって、ツメが甘いのではないか(業者のいいなり)、造成後に、宅地なってから、販売する価格で買い取る(しかも東南の角地という一等地の鑑定価格での買い取り)というのは、もっと交渉の余地があったはず。
 下水道管台帳が、実際に埋設されている通りに記載されていなかった理由が不明のため、どこに責任があるか分からないというのは、無責任。
 との2点を追求しましたが、つまりは、4千万円かかるところが650万円で済んだのだ、といわんばかりでした。
 本会議の質疑は3回までなので、引き続き、建設委員会で渋田議員に追求してもらいました。建設部長と下水道課長が陳謝したそうですが、これで一件落着というのは、あまりにも甘過ぎると思います。
 ところで、買い戻した土地は、宅地と歩道の間の緑地帯となっています。ここに植える木も、業者に補償費として95万円支払っていますが、まるで住宅地の緑地の風情です。
 地元のみんなからは、「四季ごとに花を植えたりして、地元管理の花壇にしてもよかったのにね」という声も聞かれます。
 100万円単位のお金は、大したことがないといいたげにとれるこの感覚を、もっとチェックしていく必要があると痛切に感じます。

 今議会ではじめて答弁に立った石川市長は、どうしても答弁書の棒読みが目立ちます。
 これから一般質問で、どのような答弁をするのか…。
 それにしても、「この予算に市長の公約は、どのていど反映されているのか」という質問に対して、
「何しろ当選以来、挨拶回りやもろもろあって」
 という答弁は、どうかと思いました。
 市長就任後1か月足らずで、予算編成をするのはむしろ問題です。そのあたりを明快に答えてほしかったものと思いました。

★もう一工夫ほしい、福祉予算
 私の所属する厚生福祉予算は、一般会計の福祉・健康部門のほか国民健康保険・老人健康保険・介護保険・看護専門学校のそれぞれの特別会計、さらに病院事業会計と、審議する本数の多い委員会です。
 それだけに時間がかかるのは当然なのですが、他の委員会が1日で審議を終えると、あまり質疑しない議員から不満の声も。だかrといって、委員長が「一般会計は午後2時の終了をメドに」と質疑を制限するような発言をするのはいかがなものでしょうか。
 規則を破っての質疑でない限り、時間制限は許されません。

 一般会計予算案の質疑を通して、18年度の予算編成に向けて次のような要望をしました。

・配食サービスは、効果的に
 高齢者世帯に対する配食サービスは、春日部地域では自己負担1食400円、週2日(昼食のみ)、市はこれを950円で業者に委託しています。
 庄和地域は、自己負担1食300円、週6日(昼食か夕食)、以前町が運営していた特別養護老人ホームで食事はつくり、有償ボランティアが各家庭に届けています。17年度中は、それぞれの方式で、18年度から統一し、週6回、自己負担300円にしたいとのことです。
 ただし、これにはかなりの予算増が見込まれます。
 そこで、食事は市内の各特別養護老人ホーム等の施設でつくってもらい、市民のボランティアが届ける方式にしてはどうか、という提案をしました。
 一社独占の委託では、競争原理が働きません。
 また、業者が届けることにより安否確認はできるにしても、ボランティアさんが届け、その際、困りごとはないかなど、見守りボランティアも兼ねることができたほうがよいと思います。
 18年度の予算編成までに、研究課題とするとのことです。

・支援費以外支援の充実を
 
障害をもつ人の介助が支援費制度に変わったとき、越谷市と春日部市は、それまで県が行っていた「全身性介護人派遣事業」を県がうち切った後も、市の単独事業として継続してきました。
 障害者団体からの強い要望もあり、県は17年度当初にさかのぼって、この事業を復活することになりました。
 その結果、市には400万円以上の補助金がおりることになります。
 そこで、現在は身体障害もしくは重複障害しか対象になっていないこの制度を知的障害まで拡大するよう(越谷市は対象になっています)求めました。
 支援費制度を障害当事者が利用しても、この「全身性」を利用しても、市の財政負担はほとんど変わりません。市の単独事業でも、財政負担が重くならず、当事者にとっては使い勝手がよい制度、福祉の部門では、そのような施策の充実を、今後も求めていきたいと思います。
 なんといっても地方分権の時代、市民の生活を守るための知恵を、互いに出し合っていきたいものです。

★昨年度の倍に赤字が膨らみそうな病院事業会計
 正直、市立病院は17年度には少しは経営健全化が進むと思っていました。
 ところが、前半半年の医療収益が大幅に下回り、9日支給の病院職員の期末手当の資金繰りも厳しい状況とのこと。このままでは17年度は7億7千万円以上の赤字になりそうとのことです。
 最も大きな原因は、看護士不足によって、西棟6階の病棟を閉鎖し、297ベットにしたことによる減収が約5億円、経費が1億5千万円少なくなったことを差し引いても3億5千万円の減収となることから、とのことです。
 しかし、当初予算の段階で、それは織り込み済みのはずで、その赤字を埋める対策は? との質疑には、具体的な答弁はありませんでした。
 このままでは、年度末まで3億9千万円の資金の手当てがつかない、とのことです。
 病院健全化の第一歩と喧伝された「血液内科」の増収見込みは3千3百万円。ほかに検診業務を昨年度までの倍の1日10人で対応しているとのことですが、抜本的な見直しが遅れていることが、ここに来て露呈しました。
 2月からは、診療時間を早めて、8時45分診察開始をするそうですが、根本的な見直しが迫られています。
 厚生労働省の「地域保健医療見直し」の方針もあり、市立病院は再整備に向けて具体的なプランニングを県に提出しなければならない段階にきているのですが…。

 なにしろ、たどっていくと、平成2年の段階からの減収…、平成8年からの赤字予算…。
 今まで改革しなかったつけ、答弁の中には「議会の承認も得ている」という発言も飛び出しました。年度末の累積欠損、40億円、という状況では議会としての責任も問われる状態です。
 委員会では、病院建設のために積み立てた6億5千万円の取り崩しについて質疑しました。対処法の一つ、との答弁がありました。老朽化した西棟を建替えなければ、医療機器の導入もはかれず、様々な診療報酬の加算も得られない、という悪循環は承知の上で、さらに抜本な改善策を求めていきます。 

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