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失われた20年を取り戻しませんか! 一緒に(2001年6月)

 「どうも、出生率が下がってきている。これから、生まれる子どもの数が減って、もしかしたら少子化が進むかも知れない。育児雑誌は、育児の楽しさ、子どものいる生活の楽しさを、アピールしてほしい」

 育児雑誌の編集をしていた私が、小児科学会の大御所にそう言われたのは、最近のことではありません。長女が生まれた直後でしたから、20年も前のことです。

 アメリカのカーソン女史が書いた「沈黙の春」が世界的に注目を浴び、日本で有吉佐和子さんが「複合汚染」を書いて、食品添加物や農薬の危険性が問題になったのも、もう20年以上前のことです。

 当時登校拒否児と呼ばれていた子どもたちが、学校に行くことを拒否することで、学校の在り方に、教育の在り方に鋭い問題提起してから、すでに20年近い時が流れています。

 自然体験が少ない、自分の体を動かして遊ぶ機会がない、そんな子どもたちに、過疎の村で、自然の中で自由に行動することで、創造力や自分で考える力を養ってほしい、そんな目的でつくられた青少年の野外教育団体で私が仕事をしていたのは、かれこれ30年近い昔のことです。

 今、バブルがはじけてから、政府の経済政策の失敗続きで、一向に経済が立ち直らないことを、「失われた10年」と称しています。

 少子化社会が到来した! 環境ホルモン? 不登校、ひきこもり ゆとり教育?

 こうして振り返ってみると、失われた10年どころか、失われた20年、いや失われた30年といっても過言ではない、と言いたくなります。日本という国は、重大な危機に面しているにも関わらず、何の根本的な解決を試みることなく、その場しのぎでやってきているのではないか、と思わずにはいられません。

 市議会という場に身を置くようになって、ますます強くそれを感じます。もっと、未来を見据える視点がほしい、未来のあるべき姿から過去を反省し、一緒に根本的な解決策を考え合おうよ。しかし、議会という場は、今のところそういう場ではないようです。

 応援してくれる皆さんと一緒に、今こそ失われた20年を取り戻すために、どんな施策が求められているのか、考えていきます。たとえ今は少数意見であっても。

(2001.6.1)