トップ>>>議事録・発言集>>>このページ
一般質問(2001年6月12日)
その1・児童センター構想について
1回目の質問
まず最初に、児童福祉施策のうち、児童センター構想について、お伺いいたします。
本年3月、春日部市児童育成計画、愛称、「かすかべっ子 いきいきプラン」が策定されました。この計画は、昨年8月から半年間にわたって、子どもさんを含む市民アンケートや、市民の皆さんや職員の皆さんが参加してのワークショップ等、幅広い意見を反映させるための試みを重ねて検討され、策定されたものと伺っております。
この児童育成計画は、現在の春日部市の「子育て環境」の課題を分析し、その分析を元に、不足している環境の整備を、今後10年間にわたって行うためのプランであると思います。そこで、この現在、春日部市の子育て環境の課題について、まずお伺いいたします。
「いきいきプラン」の中では、この課題について4つに分けられています。まず第1に、子どもの育成環境の整備では、子どもの遊び場の整備として、「何もなく広々とした場所で、のびのびと自由に体を動かして遊べる場所」「既存の公園の美化や管理」「多様な体験のできる場の整備」などが挙げられています。
第2に、家庭における子育て環境の整備として
「子どもたちに安らぎを与える場としての家庭づくり」
「父親の育児参加をすすめ、身近に育児相談できる場をつくって、家族が協力して子育てに取り組んでいけるよう支援する」
「親として自覚をもてない親、子どもとの接し方の分からない親に対しての接し方、考え方などの親育ての場の整備」
があげられています。
第3に地域における子育て環境の整備としては
「子育てサークルなど、親の活動拠点の整備」
「住民相互の助け合いやボランティアによるサービスシステムの整備」「地域で子育てするという雰囲気づくりや交流の場をつくってコミュニティの形成を促す」
の3点があげられています。
四番目が行政における子育て環境の整備で、この点については
「交通事故や犯罪から子どもを守るための安全の確保」
「小さなことであっても、いざ必要というときにすぐ必要な手を差し伸べられる、きめ細かい対応の整備」
「行政内の関連部署の横の連携の強化と、行政と住民の連携体制の整備」の3点があげられています。
この課題の分析を元に、今年度からさまざまな基本施策が挙げられているわけです。つぶさにみていきますと、その中には新規事業もあります。
さて、今年度は、その新規事業の一つにあげられている、児童センターの整備事業費として、629万9千円が、予算計上されております。この予算に関しては、3月議会でさまざまな質疑が重ねられました。構想としては「自然とふれあって、のびのび遊べる郊外型児童館」と、「中高生の利用する、幅広い体験を深めるための都市型児童館」の2館を予定している、ということです。そして場所、規模、設備の内容などは、これから検討する、という答弁をいただいております。
そこでこの事業についてお伺いいたします。このたくさん列挙された春日部市の「子育て環境の課題」のうち、どの課題について優先的に解決しなければならないとお考えでしょうか。その優先順位をお示し下さい。
また、その優先順位と、児童センターの整備事業がまず初年度の事業として取り上げられた、予算計上された、そのことの関連性について、お示し下さい。
ことに、計画策定のための予算とはいえ、この厳しい財政状況の中で、なぜ、児童センター整備事業が予算付けされることになったのか、その経緯についてご説明いただきたいと思います。
さらに、児童センター整備計画では、企画段階から、親や子供が参加できる場の設置を検討する、とありますが、具体的にどのようにその場を設けるのかについても、お示しください。
峯山健康福祉部長の答弁
最初に、「かすかべっこ いきいきプラン」についての関連の質問からお答えして参りたいと思いますが、まず最初に、プランの策定経過の中で、居場所がない、という意見が大変強かったことなどから、それらを懸案事項として山積みしておりましたが、児童育成計画の重点事業の一つとしていきたいと考えてきたわけでございます。
児童育成計画の中で、春日部市の課題につきましては、今お話があった通り、四つに整理されております。
一つは、子どもの育成環境の整備、二つ目として家庭における子育て環境の整備、三つ目が地域における子育て環境の整備、四つ目が行政における子育て環境の整備ということで、子ども、家庭、地域、行政という、それぞれの側面に視点をおいた整理の仕方となっております。
これらのうち、どれを優先するかとお尋ねでございますが、それぞれ関連しあっておりまして、やはりこれは、どれを優先させるということではなくて、総合的にこれを推進していかなければいけない、と考えているところでございます。
それから、その「いきいきプラン」の中で、当面、児童センターの構想を進めさせていただいているわけでございますが、これはなぜこれが出てきたのか、ということでございますが、これは何回もご説明申し上げておりますように、30年来の懸案でございまして、それを今回、郊外型と都市型の2館構想で当面は出発させていただきたい、そのような内容のもので、当初予算で、基本計画の予算を計上させていただいたところでございます。
それと、親と子の交流の場をどのように考えているのか、ということでございますが、やはり、こういうセンター等を中心にして、親と子、それからさらに世代間の交流もしていく、そういう場所が今までなかったということで、この2館構想を当面推進させていただく、という内容のもので、これを作らせていただくものでございます。
まあ、児童センターについては、もう再三ここでお話申し上げておりますので、以上で止めておきたいと思います。
2回目の質問
児童センター構想について、再度お伺いいたします。さきほど市のいきいきプランにあげられた課題の中で、重要度は、と質問させていただきましたところ、峯山部長さんのほうから、それぞれ関連していて、どれが重要なのか、順位はつけられない、という、非常に上手な、というかそういうお答えをいただきました。
で、児童センター構想につきましては、いうまでもなく、30年来の懸案事項である、というお話です。ただ、その児童センター構想、さきほどの部長のお話の中では、センターを中心にして、親と子の交流をはかったり、世代間の交流を図ったりする場が今までなかったので、その機能を、というお話でしたけれども、基本的には、その2館構想、一つは自然体験を子どもたちにさせる郊外型のものを、というものと、もう1館は、中高生でも利用できる、体験の幅を広げるための都市型の館である、と、そちらがメインであると、私は聞いたような気がいたします。
で、その中に当然、子育て支援センター的機能とか、交流の場を設ける、というお話は伺っておりますけれども、必ずしも、交流の場としてだけの児童センター構想ではないと思っておりますので、その点に関連して、質問させていただきたいと思います。
市民ワークショップは、私も参加しましたけれども、そのとき、市民の皆さんからいろいろ出てきた意見としては、小さいお子さんをもっているお母さんたちとしては、雨の日でも子どもを連れて遊びにいける場として、やっぱり、近い距離に遊び場がほしい、そういう交流の場なども、小さい子を連れていける距離にほしい、という意見が出ました。で新しい施設を市内の数カ所につくるというよりは、まず既存施設を利用して、身近なところに交流の場や、親子が遊べる場ができないものか、という意見、結構多かったと思います。
そういうお母さんたちと話している中で、私自身は、子どもたちの遊びの場、体験の場が必要、ということも認識しておりますけれども、今子どもたちをとりまいている環境、あるいは子育てをとりまいている環境をみますと、子育て支援センター、育児サークル、ファミリーサポート事業、緊急一時預かりなどの子育て支援策を整備することが、まず、急務ではないか、そういうふうに考えます。
たとえば、今結構新聞報道に多いんですけれども、「子育てサロン」や子育て支援センターなどの開設を望む声が高まっておりますし、実際に開設している市町村も、県内では新座市、草加市、越谷市、和光市、宮代町等、多数にのぼっています。
子どもの虐待などの深刻な問題が、必ずしもこのような手段で解決できるというほど短絡的に考えるつもりは毛頭ありませんけれども、若いお母さんたちと接してきた中で、子どもが自分の思い通りにならないでイライラするとか、毎日子どもと二人だけの生活で息が詰まりそうになる、など、小さなストレスを抱えている親ごさんが多いといことを実感しております。
で、こういうお母さんたちのために、支援センターそういうものを設置すること、それは必ずしも新しい館ではなくて、既存施設を利用してできるのではないか、そういうふうに考えますけれども、それについてお答えいただきたいと思います。
たとえば、昨年私が取り上げさせていただきました越谷市の保育ステーションは利用率が高く、昨年度、送迎利用者延べ2697人、一時保育延べ2194人、非常に好評だったので、さらに今年度から、北越谷にもオープンすると聞いております。この北越谷の保育ステーションは、子育てサロンも併設するとのことです。この越谷の保育ステーション、民間の施設の借り上げで行っております。
先日、菅原議員がこの児童センター構想について質問しまして、学校の空教室の活用についてふれていらっしゃいました。それに対して、学校教育に支障のない範囲で検討したい、というご答弁がありましたけれども、しかし、今後の学校教育の新しい方向性として、地域に開かれた学校、あるいは、地域の教育力を生かす、ということがあげられています。
そうしますと、空教室をいわゆる学校教育以外の目的で使うことも、広い意味で教育の一環になると考えられないものでしょうか。宮代町の笠原小学校に開設されております「ひだまりサロン」は、高齢者の方だけに開放されているのではなくて、子育てサロンとして解放され、多世代にわたる世代間の交流の場となっております。
また、既存施設として、公民館、図書館、あるいは地区の集会所など、さまざまな施設があると思うんです。地区の集会所の中には、昔の鎮守の森の面影を漂わせるような、子育てサークルに使ったらいいと思われるような場所もあります。そのような市内にあるいろんな既存施設の利用状況を検討して、多目的に活用する、それで不足するなら、民間の施設を借り上げる、このようにいろいろな方向性を探ってみるということも今、望まれているのではないでしょうか。
「いきいきプラン」の基本方針の中に、街全体で子育てする体制づくりということがあげられています。その街全体でする子育て、その中で、市民ネットワークや住民同士の相互扶助の仕組みを整え、場や仕組みがうまく機能するための人づくり、ということをあげています。まったく同感です。
多様な市民要求にきめ細かく対応するためには、行政だけでなく、地域の人たち、あるいはボランティア団体などの協力が不可欠です。既存施設を利用するとともに、これらの人たちをまとめ、きめ細かいニーズに対応できるシステムをつくる、これからの行政にまず第一に望まれるのは、そのコーディネーターとしての役割ではないでしょうか。
そういう意味では、新しい館をつくる、ということよりも、もっと少ない予算でできる施策というのはもっとたくさん考えられるのではないか、そのほうが、きめ細かく住民ニーズに応えることができるのではないか、と思いますけれども、その点についてはいかがでしょうか。
また、子どもたちの活動の場として児童センターを考えた場合ですけれども、たとえば、郊外型、自然の体験をさせるために郊外型の児童センターをつくったとしても、そこに年に何回訪れることができるでしょか。本当に自然に親しむための子どもたちの体験の場として考えるならば、身近なところで自然とふれあうことを考えることの方が、もっと重要ではないでしょうか。
私、子供たちの観察会やネイチャーゲームなどに参加することがよくあるんですけれども、そのとき感じるのは、身近な自然に親しむ、その親しみ方を子供たちに教えることができる人が少ないんですね。学校の先生でも、結構できない方、いっぱいいらっしゃいます。よい指導者がいれば、1本の木でも、草の生えた空き地でも、子どもたちにとっては豊かな自然体験はできるはずなんです。もし足りなければ、学校の中にビオトープをつくるとか。身の回りの自然を増やす、そちらの方が、館をつくることよりもっと重要ではないか、そのように考えます。
そういう意味で、建物を建てるということの前にシステムづくり、そしてマンパワーの活用を束ねるため人材を大事にする、そういった施策の方が大事ではないかと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。お答えください。
峯山健康福祉部長の答弁
児童センターの問題に関連して、箱ものをつくることでなく、新しいやり方で、既存施設を使って、いろいろなそのほかの、たとえば子育て支援センター、育児サークル、ファミリーサポート事業等、これらのものを優先させてやるべきではないか、ということでございますが、先ほども答弁させていただきました通り、児童センターにつきましては、30年来の懸案事項で、各議員さんからもだいぶご要望がありまして、ようやく、それから市民要望等も取り入れた中で、2館構想でやっていく、当面はそれでやっていきたいというように私どもは考えているわけでございまして、それらの作業を進めながらもやはり、子育て支援センター、育児サークル、緊急一時保護等、これらについても現在、とくに緊急一時保護等については、保育所でもやっているわけでございまして、予算化されてこれができるということになったらそれをやめろというような……、なかなかどっちをとっていいいのか私どももあれですけれども、せっかく予算をつけさせていただいて、これでいくという方針をつけたわけでございますから、これは固い決意でやっていきたいと思っております。
やはりそれが最優先させる、今回の事業の中の私どもは位置づけているわけでございまして、これについては予定通りきちっと進行させていただきたい。
それから、子育てサロン等のお話がございましたけれども、これは現在市としても、主任児童員さんと共同して、研究を行っており、今後できるだけ早い時期に実現に向けて、努力していければ、と思っております。既存施設が活用できるようになれば、子育て支援システムづくり、ボランティアの拠点づくりなど容易にできることと思われますので、今後の研究課題とさせていただきたいと思います。
それからマンパワー等の活用についても、これは当然ございますので、これらについても十分考えに入れていきたいと考えているところでございます。
まあ既存施設の活用は当然ですけれども、この児童センターをつくっていく中で、いろいろな親ごさんと子どもさんの健全な育成、それから親子でいると気が詰まってどうにもならない、というようなそういうような悩み事等についても相談事業、それからお互いに親と子の交流、というような場もここで設けていくわけでございまして、そういうようなことも併せて、この児童センターができれば、いくつかの問題は解決するんではないかと考えております。そういうことでご理解をいたさきたいと思います。
また、地域における子育てを推進することについて、安心して子育てができる環境づくりとともに、地域連携という施策が設けられているわけでございますが、この地域連携の推進には行政だけでなく、市民との連携が重要なものであり、また、行政内部においてお様々な機関相互の連携の必要性が出てくると考えております。すなわち行政と市民が共に協力しあい、また行政の境界領域の細かなニーズにも対応していきたいと考えております。
その2へ
トップ>>>議事録・発言集>>>このページ
|