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20036月議会一般質問

その3 基本台帳ネットワークシステムの本格稼働に向けて

●1回目の質問
 
 昨年の第一次稼動に対して、市民の皆さんから寄せられた疑問、不安に対して、市は次のような説明をしました。
 まず第1点、情報漏洩の心配はないか、との不安に対しては、
①ファイアーウォールでガードされる。
②専用回線を使う。
 など、安全対策がとられているので、情報の漏洩の心配はない。
 2点目、国民総背番号制につながり、個人に対する国家管理につながるのではないかとの不安に対しては、
①ネットワークに接続するのは、個人確認4情報プラス、住民表コード、変更履歴の6情報のみ。
②個人確認4情報に関しては、窓口で閲覧できる情報なので、ネットワークに情報を送っても、なんら差し支えがない。
③それ以上に拡大される動きがあった場合には、慎重に対処する。
とのことです。

 さて、本年8月から、住民カードが発行され、全国どこにいても住民票がとれるという、このシステムの本格稼動がはじまります。自分の個人情報が、ネットワークシステムによって全国に送られるという、考えてみると少々不安な状態になります。
 そこで、ぜひともこの不安を払拭できるような答弁を頂きたいとの期待をこめて、3点にわたって質問させていただきます。

 まず第1点、拡大使用はない、という点について、費用対効果の面から伺います。
 このネットワークシステム構築に投入された費用は、春日部でも1億円近く、国全体では800億と言われています。またランニングコストとして、国では年間200億と見込まれています。
 それに関して、このネットワーク運用の利便性としては、
①市民が住民基本台帳カードさえ
②各種手続きの際の本人確認として、住民票を提示しなくて済むようになる。
③電子申請が可能になる。
 などです。どれも、投入した金額の割には、きわめて軽微な利便性しかあげられていません。

 しかも、現在264項目の手続きに利用できるように拡大されたとはいえ、あげられているのは、国民の側の利便性のみです。  
 旧自治省が1996年にこのシステム構築のために「住民基本台帳ネットワークシステム懇談会」を立ち上げた当時は、電子自治体、E-Japan構想の一環として、このシステムが研究、開発されたものであったはずです。
 だとすると、行財政改革の一環として進められたこのシステム、いずれは行政側の利便性のために、用いられる可能性はきわめて高いものと思わざるを得ませんが、その点についてはいかがでしょうか。
 
 報道によると、たとえば法務省では戸籍とのリンクについて検討が進められていると聞きますし、また経済産業省では、住民基本台帳カードを、交通機関の定期券、銀行のキャッシュカード、医療機関の診察券など、幅広い分野での利用をすすめることを検討していると聞き及んでいます。
 これだけの巨額な投資説得をした点を考えると、むしろこの考え方の方が納得ができるのではないでしょうか。
 この点について、今まで拡大使用はされないもの、との答弁を頂いておりますが、拡大しようとする方向性が出てきたときに、市としてはどのように対処するつもりか、お示しください。

 次に第2点目、セキュリティ対策について伺います。
 最近報道をにぎわせました、長野県の「本人確認情報保護審査会」の答申によりますと、クローズされた専用回線を使うことになっていたはずの住基ネットが、長野県下の27自治体、約四分の一に当たる自治体で、あろうことか、インターネットに接続している回線を利用していた、という事実が判明しました。
 また総務省が5月12日に公表した調査の結果でも、約一割の自治体で、セキュリティ対策に不安があるとのことです。
 コンピュータの専門家からは、前々から、ネットワークシステムには、万全な情報漏洩を防ぐセキュリティ対策はありえないという指摘がありましたが、それはさておき、春日部から送られた先で、情報漏洩の心配があることが判明したわけです。

 それに関連して、春日部市としては地方自治情報センターに収集された春日部市民の個人情報が、どのように管理されているのかどのように全国的なネットワークに流されるのか、把握しているのでしょうか。
 このような情報漏洩に対しては、どのように対処されるおつもりでしょうか。

 最後に3点目として、8月から開始される、カード発行に際してのセキュリティ対策について伺います。
 カード発行機に残るデータの管理等、セキュリティ基準はどのように定めているのでしょうか。
 
●小林総務部長の答弁

 まず、費用対効果についてでございますが、ご存知のとおり基本台帳ネットワークシステムは、市町村が行う各種行政の基盤である住民基本台帳のネットワークシステム化を図って、ご質問にありましたとおり、氏名、生年月日、性別、住所の4情報と11桁の住民票コードとこれらの変更情報の6情報によりまして、全国共通の本人確認を可能とする地方公共団体のシステムということでございます。
 国の行政機関が法律の定めによりまして情報の提供を受けることにより、恩給、あるいは共済年金などの現況届け、あるいは公認会計市、土地取引主任等の資格申請及びパスポート申請において、住民票の写しの添付が省略となったところでございます。
 また、住民基本台帳ネットワークシステムの稼動に伴って、国が行革の一環として進めている電子政府、電子自治体とを結ぶいわゆるE−Japan構想と住民基本台帳ネットワークシステムの関連でございますが、現段階でわかっておりますのは、「公的個人認証サービス」であります。
 公的個人認証サービスとは、市民の方が自宅のパソコンでインターネットを利用して、市や県等行政機関のホームページを開き、住民票の写し、印鑑登録証明書の交付申請、パスポート申請ができるということでございます。   すでに法律は成立しておりますが、住民登録をしている市町村で、公的個人認証サービス電子証明書発行の申請を行い、県知事より電子証明書の交付を受けなければならないところでございます。
 総務省は、今年度中に施行すると言っておりますが、市民への周知、理解いただくだめには、相当の時間を要すると認識しているところでございます。この手続きに対し、電子証明書の有効性を本人確認するために住基ネットを活用するというものでございます。

 次に住民基本台帳ネットワークシステムの導入、管理費用につきまして国、さきほどありましたように、おおむね約1000億を若干超えておるところでございます。
 なお、春日部市のこの事業につきましては、15年度予算でありますが、合計しますとおおむね9700万円程度であります。
 今後、行政効果でございますが、ご存知の通り本人確認情報として264項目の手続きが利用できるようになっておりますので、現在のところ、一部しか成果が現れておりませんが、これから出てくるものと考えておるところでございます。

 次に、住民基本ネットワークシステムの幅広い分野での利用についての検討状況でございますが、住民基本台帳ネットワークシステムは、さきほど言った4情報の他に、住民票コードと付随情報が本人確認情報として登録されておりますが、その他に本人確認情報を追加する場合、当然法令の改正が必要となるところでございます。
 当市におきましても、法律に従いまして対応して参りたいと考えておるところでございます。
 また、市町村独自に住民基本台帳カードに追加できるものとして、印鑑登録証明書の交付、あるいは図書館利用券、病院の診察券等々あるところでございますが、追加できるよう法制化はされているところでございますが、追加する場合には条令で定めるようになっておりますので、議会の議決が必要となっておるところでございます。

 続きましてセキュリティー対策についてでございますが、情報の漏洩さまざまな理由が考えられますが、まずその原因を追求することが先決というように考えております。
 ご質問の中でインターネット回線と同一の回線を使用している市町村があるということですが、議員の質問にもありましたように、長野県の状況等は認識はさせていただいているところでございます。当市におきましては、住基ネットの回線とインターネットの回線は別線となっておりますので、情報の漏洩はないと考えております。議員ご指摘の同一回線使用の課題については、総務省の指導や市町村の自主的な改善で別回線使用が推進されております。

 次ぎに本人確認情報の管理体制でありますが、全国民の本人確認情報を管理するため、なによりも個人情報の適切な保護措置を最優先課題に構築しております。
 その特徴の第一点目として、最新の認証技術や暗号化技術を採用しておりまして、データの盗聴、改ざん破壊、及び盗難、端末操作者のなりすまし等の不正行為を防止します。
 また2点目といたしまして、全国のサーバをはじめとするシステム構築ハードウェア及びネットワークの二重化により、サービスの連続性を維持し、障害が起こりにくいしシステムとなっております。
 3点目といたしまして、システム利用者支援であります。このことにつきましては、遠隔監視の実現いわゆるネットワークシステム全体の効率的運営を確保するため、常時監視する機能があります。
 以上申しあげました3点につきましては、これによりまして本人情報の保護措置がなされているというように考えているところでおります。

 続きまして、住民基本台帳カード発行のシステムについてでございますが、カードの発行の際のセキュリティー対策でございますが、住基カード発行機に残るデータの管理というところでございます。
 当市においては住基カードを発行する際、発行機の中にありますカーボンデータは残りますが、カーボンの取り出し口に施錠することになってございます。
 また、これらを消去、処分する場合は、直接職員がごみ処理場に持ち込みまして処分しますので、発行時に残るカーボン等につきましてのセキュリティー対策には万全を期せるものと考えてございます。

 次ぎに住基カードにおける個人情報のセキュリティー対策ですが、総務省指示によるセキュリティー基準を策定することになっておりまして、一つめに利用者自身によるパスワードの照合、二つめにカードとシステム間での相互認証の実施、三つめにカード内情報を保護するためのアクセス権限の制御機能の実装、四つめにICチップに対する物理的、論理的攻撃に対する防御対策の実装などの措置を講じること、今申しあげましたこの4点を基準といたしまして策定に向け、現在検討をしているところでございます。

●2回目の質問

 基本台帳ネットワークシステム、さきほど情報漏洩の管理体制、セキュリティー対策についてうかがいました。
 しかし、その前提となっているのが、結局保護されているから大丈夫だということです。さきほど長野県の市議会の個人情報の答申あげましたけれども、例えばどんなに厳密な管理をしていても、春日部ではやってますといいますけれど、送られた先、ネットワークに乗った情報、それが例えばある自治体で住基ネット端末機のハブポートが無造作に剥き出しになっていて、それが他のパソコンのインターネット回線につながることのできるパソコンに接続できる状態になっている管理体制とか、それからあるいは小さい自治体ですべての管理を外部業者に委託しているという自治体があるというような例があるわけです。
 そういうところから、春日部はセキュリティー対策を守っていますから安全ですよと言っても、もうネット上に送られてしまった情報がどうなるかというところまで、春日部市として管理できますかということを私はお聞きしたかったわけです。そして万一、情報漏洩になった、流れてしまった個人情報が事件性を持ってしまった場合、個人の賠償責任というのはこれは住民台帳の管理は自治事務なはずですから、春日部市に賠償責任がかかってくるという可能性だって充分考えられると思う。
 そしてまた、一度流れてしまった個人情報というのは取り戻すことはできません。
 これは第一次稼動の時にも申し上げました。
 だとしたら、利便性のために自分の情報はネット上につないでもいいという希望のある方だけの選択性にすべきではないのでしょうか。その点についてうかがいたいと思います。
 そして市長にはお時間がございましたら、その賠償責任についてのシュミレーション、春日部市としてはとってらっしゃるでしょうか。それを伺いたいと思います。

●小林総務部長の答弁

 情報の漏洩の危険性ということで、再度ご質問いただきました。
 さきほど申し上げましたとおり、住基ネットの管理体制、あるいは今考えられるものの中では万全を期させていただいているということがございます。
 システムを操作する職員はもとより、委託企業、請け負っている業者等につきましてもやはりネットワークシステムのセキュリティー規定を遵守して管理業務を行っていく。情報の漏洩の危険性については不安がないものとしてご理解を頂けると思っておるところでございます。

 続きまして、住基ネットへの参加の選択ということで、ご要望という課題がございましたけれど、やはりこれにつきましては、春日部は現状において選択性にする考えは今のところ持っていないところでございまして、現在はつないでおります方法によりまして、参加はさせていただきたいというように考えておるところでございます。

●三枝市長の答弁


 住基ネットについてでございますけれど、これは基本台帳法によりまして、市長村長は住民の本人確認の情報を保護するためには適切な管理のために必要な措置をとる義務があると、こういうことが条例の中でうたわれているというわけでございますから、やはりこれは保護するために必要な措置は考えていかなければならない、こういうことになっていると思います。
 そのために、セキュリティーが万全な対策を取らさせていただいているということでございます。
 やはり、これから電子政府や電子市役所、そういう21世紀社会になっていくということは、これは国民の為の社会になってくる、市民のための社会になってくる、そこにやはりこれからの生活の中でも一番必要なひとつのシステムになってくるだろうというような中から生まれてくるのであって、そういうものがないほうがいいということになればこういう話しは国でも出てこないというように思いますし、国民の間からでも持ちあがってこないというようなことでございますから、やはりこれからの社会を作っていく中では、そういう1つのシステムが市民生活の中でも、国民生活の中でも必要になってくると、この中でこういう1つの手法が生まれてきているのではないかと思っております。
 非常にこの点につきましては、問題も確かにございますのでセキュリティーを全力をあげて取り組んで行くということと同時に、それでは春日部市として、そういう場合のシュミレーションをどのような対応をしているかでございますけれど、このシュミレーションがなかなか現実にないという気持ちの中で、ないという判断の中で、あるということになってくれば……。      こういうセキュリティーは守れないですと、いくつも問題があるんです、ということになれば、もっとわたしは社会的な問題になると、ほとんどこれはないという前提の中で進められておるところでございますけれど、しかし、ここの中で問題が起きてきたときの損害賠償については、そのセキュリティーをどのような形で全市的に取り組んでおるのか、あるいはこの住基基本台帳ネットは、社会のためのどれだけの効果をあげるか、行政効果があがってくるか、というものがおのずと、これは損害賠償の中の判断になってくるというようなことかと、わたしは思っておりますので、即、それがすべてが損害賠償に通じるとは思っておりません。
 そういうことの中で、それもやはり万全を期した形の中で、これからの21世紀の行政組織の中では、
私どもの必要なひとつのシステムとして、これらには参加をし、そしておおいに利用していかなければならないだろうというように思っておるところでございます。

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