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★一般質問・その1 年金について

●1回目の質問

 年金については、現在、来年の改定に向けて、負担と給付の関係をどうするか、議論になっています。その結論がどうなるか、現在の年金制度のもつ様々な問題点が、果たして解決されるのかどうか、気になるところです。
 現在の年金制度は、1986年の改定で、国民皆年金制度になり、原則として、一部例外を除くすべての国民は国民年金保険料を負担することになりました。その保険料の支払い期間によって、将来受け取る基礎年金額が決まるわけです。

 国民年金のみに加入している人は第1号被保険者となるわけですが、現在の年金制度では、そのほか、会社員や公務員など、いわゆるサラリーをもらっている人が、雇用者側と共同で、報酬に比例して保険料を支払い、基礎年金に上積みされて厚生年金や共済年金を受け取ることができる第2号被保険者、それに第2号被保険者の配偶者、いわゆるサラリーマンの妻で、国民年金保険料を払わなくても将来基礎年金を受け取ることができる、第3号被保険者があります。
 この制度の違いによって、将来受け取る年金の額が異なってくるわけです。  
 
 ところが、制度の違いによって生じる、様々な手続きの違いがよく理解されず、後に当然受け取ることができるはずの年金が受け取れないケースがある、ということが昨年の秋以来、ニュースになっております。

 そこで、届け出もれが生じるケースにはどのようなものがあるのかについてお示しください。
 またそれに対処する方法として、これからでも不利益が起こらないようにする、なんらかの手だてがあるのでしょうか。それについても、併せてお示しください。

●齋藤保険健康保険担当参事の答弁

 年金についての、届出もれにはどういったケースがあるのか、またそれについての対応、ということでございますが、ご指摘の届出もれというのは、いわゆる第3号被保険者のことかと思いますので、第3号被保険者についてお答えしたいと思います。

 昭和61年の年金制度の改正によりまして、厚生年金、共済組合加入者の被扶養配偶者、いわゆるサラリーマンの奥さんは、第3号被保険者として、国民年に加入することになりました。これにより、本人の保険料の納付なしに、将来年金が受けられるようになりました。

 第3号被保険者になるには届出が必要で、平成14年3月までは、本人が配偶者の勤務先の証明のある届出書を、本人が市町村に提出しなければなりませんでした。
 届出は資格を得るたびに行わなければならないため、届出もれはかなりの数があるのが現状でございます。

 第3号被保険者の届出もれになりやすい事例として、次のようなケースがあります。4つばかり、ご紹介したいと思います。

 まず、一時的に会社勤めをした妻が、退社後、第3号被保険者の届出をしなかった場合。これは、本人が会社勤めにより、厚生年金に加入した、もしくは収入の増加のため、夫の健康保険の扶養からはずれたことにより、第3号の資格が終了してしまうためになるわけです。

 二つ目のケースとしては、例えば生命保険会社で外交員講習を受けた際、会社が厚生年金加入の手続きをしていた場合、これはたとえ仕事をしていなくても、厚生年金に加入したことにより、第3号の資格が終了してしまうためになるものです。
 
 三つ目のケースとして、パート勤務だったが、事業主が厚生年金加入の手続きをしていた、これはパート勤務であっても、厚生年金に加入したことにより、資格が終了してしまうためです。

 四つ目として、夫が会社をやめ、新しい勤務先に移った際に、第3号の届出をしなかった場合、これは夫の退職により、第3号の資格が終了してしまうためです。

 このような届出もれに後から気付いて届出をしても、2年間さかのぼって第3号に認定されるだけで、それ以前に資格期間があるときは、年金未納期間となり、あとから年金が減額されることになります。

 社会保険庁では届出もれの救済として、平成7年4月から平成9年3月までの間に、第3号被保険者届出の特例を実施しました。
 これは昭和61年4月にさかのぼって、第3号被保険者としての資格を認めるものでした。

 現在年金に加入させる業務は国の直接事務になっており、届出の必要な人に通知を送付しております。
 国では、届出もれを防ぐために、平成14年4月からは、これまで本人が市町村窓口で行っていた3号の届出を、配偶者の勤務先を通して社会保険事務所に届け出るように変更いたしました。本人の届出の必要がなくなったものです。
 
 これまで届出もれについては、本人の申し出がなければ確認できなかったのも事実でございます。
 そのため、ふだんから、自分の年金について確認するなど、年金制度について関心をお持ち頂けますと、届出もれを防ぐことになるわけでございます。
 春日部市といたしましては、届出もれがないよう、年金制度への理解が高まるよう、広報紙への定期的、並びに特集としての掲載、市ホームページや窓口において、制度周知に努めているところです。
 今後も春日部社会保険事務所と連携の上、様々な機会を捉えて、制度周知を図りたいと考えているところです。

 なお、来年度、年金改革が行われるということになっておりまして、その中でも、何らかの届出もれの救済を、国では対応したいという情報を得ておりますので、何らかの特例措置がなされると考えております。

●2回目の質問
 手続きもれについて、先ほど主に第3号被保険者の届け出もれのケースについて、教えていただきました。
 これについては、平成7年の4月から8年の3月にかけて、一度救済措置があったとのことですが、それでも不完全だったということで、来年はもう1回、救済措置がとられるだろう、とのことです。
 が、そのためにも、自分が届け出もれになっているということを把握する必要があると思われます。
 
 それから先ほど、部長がおっしゃったように、自分の年金は自分で守る、という認識をもつことだということは、まさにそのとおりだと思います。
 しかしこの年金制度、本当に複雑なんですよね。で、理解しにくいのが実情だと思います。
 私も今回のことでいろいろ調べてみましたけれども、まだまだ不明な点がたくさんあります。

 先ほど、第3号被保険者の手続きもれのケースを4つ挙げていただきましたけれども、このほかにも、自分で手続きが必要だというケースがあると思うんですね。

 たとえば、学生特例あるいは失業特例のように、経済的に保険料を支払えない場合の、納付免除制度については、本人が申請しさえすれば、後年、給付額は減るにしても、その期間は納付期間としてカウントされる、だけれども、自分が申請しなければ、納付期間からはずれてしまう、ということがあります。
 また、10年間なら、経済的にゆとりができた段階で、納付免除となった期間の保険料を支払えば、給付額が増額になりますが、当然、納付免除申請しなければ、後年年金をもらえなくなるケースも生じる恐れがあると思うんですね。

 これは私も全然知らなかったんですけれども、転職した場合、極端な場合、3月30日に退職して、4月1日に再就職したとしても、その間、空白は1日だから手続きはいいだろう、と思っていたところが、1カ月の空白期間が生じてしまって、自分が保険料を納めていたのは24年11カ月、あと1カ月足りませんよということで、年金がもらえなくなる、というケースがあることも聞きました。

 こういう複雑な仕組みですから、残念ながら、自分の年金は自分で守ると言っても、やっぱり、ふつうの人が自分の年金はどうなっているんだろうということを理解するのは、難しい問題だと思います。
 先ほど、広報とかホームページで周知徹底する、というお話しいただきました。それももちろん、第一歩だと思います。
 よく、銀行から年金相談の案内がきますが、これはたいてい、年金を受け取る直前になってから、年金の受取は自分の銀行の窓口を通して、という勧誘も兼ねての案内なんです。
 今までの説明や、私の調べたところでは、やはり年金問題については若いときから、働いているうちから、あるいは学生の時代から、自分の年金についてきちんと知識をもつ必要があるのではないかと思うんです。
 是非、社会保険庁と市が一緒になって、市民のみなさん対象の、わかりやすい年金講座のようなものを開いていただければ、もっと市民の皆さんの、年金に対する理解が深まるのではないかと思います。

 年金の問題について、市長に伺います。
 今、年金の問題は、負担と給付の関係で論議が進んでいます。
 しかし、国民サイドからみると、最も問題なのは、年金制度の複雑さから生じている、格差です。
 日頃、皆様から年金に対する不満というか、不安を寄せられることが多いのですけれども、とくに国民年金のみの、第1号被保険者の方から不満を寄せられることが多いというのが実情なんです。

 この最大の原因というのは、国民年金という基礎年金が個人単位であるのに対して、その上に二階建て構造になっている報酬比例部分というのが、厚生年金なり共済年金等は世帯単位になっている、あるいは、その報酬比例部分が、企業なり、共済の場合ですと市町村などの雇用主と、働いている人が折半で払うことになっている、それで、かなり後に、年金の受給額に差が生じてくるということがあるんですね。

 たとえば、ずっと働き続けた女性と、仕事をもたないで、保険料を自分で支払っていない第3号被保険者の基礎年金額は同じなんです。
 また、夫婦二人で自営業なり農業をきりもりし、国民年金保険料を夫婦二人で払ってきたのに、夫が65歳以前に死亡した場合には、年金を上乗せしてもらえるのに、夫が65歳以後死亡して、一度でも夫が年金を受給してしまうと、残された奥さんというのは、自分の基礎年金しかもらえません。
 しかし保険料を払っていない第3号被保険者は配偶者の方が何歳で亡くなっても、夫が年金を受給したあとでも、遺族厚生年金を上乗せしてもらえるなど、大きな制度上の矛盾があると思うんです。

 報酬比例分を余分に払っているからという理屈はわかりますけれども、どのような働き方をしたかが、老後の生活にも響くような現在の年金のあり方が、これが果たして社会保障制度というのに、ふさわしい制度であるのか、そういう根本からの議論が、今必要なのではないでしょうか。

今、国民年金の保険料未払いが、全国平均で4割にものぼると言われています。春日部市でも似たような比率だと思うんです。その根底にはやはり、国民年金制度ということに対する信頼が揺らいでいるということが上げられると思うんです。

 年金制度の改定、本来、国が取り組むべき課題ではありますけれども、将来どうなるのか、ということは、地方自治体にとって、高齢者福祉を考える上で、さけて通れない問題である、というふうに私は考えます。
 是非、この際、市民の皆さんが抱えています年金制度に対する不安、不信感等に耳を傾けて、市民の皆さんの老後の生活をきちんと守るんだとの観点から、近隣市町の首長さんたちと一緒に、年金制度の改革に向けて市民本位の検討を進めていただきたい、そして、国に対して地方から声をあげていただきたいというふうに思いますけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。

●三枝市長の答弁
 国民年金についてでございますけれども、確かに分かりにくいところがいっぱいあるわけですね。
 特に今、3号の被保険者の話が出ましたけれども、61年からですか、勤め人の被扶養者は、届けさえしておけば国民年金の受給資格がもらえると、そういう形になってきたわけですね。
 ところが、届出さえしておけば、ということが一番問題で、やはり、旦那さんが転勤したり、職業が変わったりするとか、いろんな日常生活の中で変化があると、その都度きちっとしておかないと、いずれ時期が到来したときに、受給権がなくなってしまうと、そういう恐れがあるわけでですね。

 今、それらについてもいろいろ問題が起きているところでございますけれども、いずれにいたしましても、厚生年金、組合年金、国民年金、すべて市役所が取り扱っているのではないわけですから、国で取り扱っているということになっているわけです。
 しかし、困るのは市民である、とするならば、私どももいろいろな意味で、該当者の皆さん方に、周知徹底を図る、そういうことを考えていかねければいけないと思っております。この点につきましては、制度が変わったり、あるいは適宜、広報等で年金については、PRさせていただきたいと思っております。
 
 それから、今の年金制度で、大体、40%の人が保険料を納めていないということになってきて、いよいよ年金が、全国的に危機になってきていると、そこで国が、ここらで考えなくちゃいけないということで、来年、年金の大改革を検討しているわけですね。
 いろいろ聞いて見ると、これもなかなかむずかしい話でございまして、どういうように改革されるかということにつきましては、いろんな問題が出てくると思います。

 ま、厚生労働省あたりでは、いくら高くなっても、保険料は20%に止めようではないかとか、あるいは将来、子どもの教育費や特殊なものを除いた残りの50%は受給時に確保しておこうじゃないかとか、いろんなことが今、検討されておりますけれども、いずれにせよ、財源をどこからもってくるのか、というようなことが出てきているわけです。
 
 特に国民年金は、厚生年金なんかと違いますから、なかなか財源的にむずかしいということから、今までの国の三分の一から、二分の一にしなければ、基礎年金の確保ができないというようなことも言われておりまして、その財源を果たして国が確保できるのか、という問題もありまして、しかし、いずれにしても私どもといたしましては、年金制度というのは、やはり高齢化社会の中で、一番必要な問題でございますので、こういう一つの事業が執行できていくように、2004年の改革に向かっては、私どももいろいろな団体がございまして、全国市長会とか、関東甲信越地区国民年金協議会とか、いろいろ組織がございます。
 今、その組織で活動を展開しておりますけれども、こういう点につきましても、これは春日部市民のことではなくて、全国的な問題ではございますけれども、しかし、私どもも、健全な年金行政が展開できるように、これからも努力していきたいと思っているところでございます。

●3回目の質問(要望)
 年金の担当参事から、説明会のお話しはなかったんですけれども、是非、わかりやすい年金講座、今、「出前講座」であるそうですけれども、もっと若い人にも関心をもってもらえるような年金講座を実施して頂きたいと思います。
 
 それから年金制度について、市長はいろいろな団体でやっていく、というようなお話しがあったんですけれども、年金改革について議論するのは、大体、厚生年金や共済年金をもらえる人たちが議論するんですね。
 私たちは、日頃市民の皆さんと接していて、一番厳しいのは、国民年金だけの被保険者の方が、老後のことにとても不安を感じていらっしゃる。そのことをきちんと分かっていただきたいと思います。
 厚生年金なり、共済年金を上積みして頂ける方は、まだ、先行き不安であっても、それほどではないんですけれども、国民年金だけしかもらえない、という市民の方々が、実際に生活が厳しかったり、老後の不安を思っているということを、市長も是非、感じとって頂きたいと思います。

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