★一般質問・その2 旧谷中小学校跡地利用について
●1回目の質問
旧谷中小学校跡地の問題については、すでに18日に並木議員から第1弾の質問が行われておりますので、それをひきついでの質問としたいと思います。答弁もそれを踏まえて、重複しない形でお願いいたします。
私の発言通告は、この問題を住民参加のモデルケースにしては、という提案になっております。ですから、まず最初に住民参加に関連する部分について、問題点を整理したいと思います。
この武里地区の4校の小学校を統廃合し、新設校2校の校舎を新たに建設するということに関しては、議会の中にも学校建設特別委員会が設けられ、私も委員として参加しておりました。この委員会発足の時点でも、また、委員会が役目を終えて解散する時点でも、跡地利用の問題は白紙の状態である、とのことでした。
つまり、その時点まで、谷中小学校の跡地を売却する、ということは住民にも議会にも示されていなかったということです。
最初のボタンの掛け違えは、ここから始まっていると思います。
小学校4校を統廃合し、2校にする、ということが検討されたときに、住民の皆さんにも、4校にお子さんを通わせているご家族の方々にも、「財政的に非常に厳しく、1校分の跡地を売却しないと、学校建設はむずかしい」という説明はきちんとなされていなかったということです。
ここには、統廃合という難しい問題を解決するためには、統廃合した後の2校は、新しい校舎を用意しなければ住民合意は得られない、という思いやりというか、固定概念というか、言葉は悪いのですが、住民を信用していないという、お役所の姿勢が伺えないのではないでしょうか。
当初から、住民の側には、4校を統廃合しても、2校はまだ使える、旧の谷中小学校、沼端小学校の校舎を使えばよいではないか、という声があったということはご存知だと思います。もし、この利用が無理だということがあればあったで、それについても住民の皆さんに説明が必要だったのではないでしょうか。
その線で検討し、住民合意を得る努力をしてもよかったのではないでしょうか。
民間や個人の家庭の場合、家を建てるのに、資金繰りを考えないことはないはずです。
行政といえども、新しい学校を建設するのに、その資金繰りを抜きにして、計画の検討はありえないはずです。その一番大切な財政面の検討を住民の皆さんと一緒にしなかった、これが、最初のボタンの掛け違いだったのではないでしょうか。
谷中小学校跡地に関する2番目の問題点です。統廃合=母校がなくなる子供たち、あるいは学区が変わる子供たちがかわいそう、という発想から、新しい校舎建設時に、プレハブの仮校舎を建てることにもなりました。
新しい校舎ができたら解体されてしまう運命の仮校舎に、2億円以上もかけるのなら、まず、統廃合を先に進めて2校にし、旧谷中、沼端の校舎でスタートし、新しい校舎が建った時点で引越ししたらいいのではないか、という住民の皆さんの声がありました。私も特別委員会で質問しました。
しかし、そのときの答えは、卒業したら母校がなくなってしまう子供たちに対して、せめて卒業式は母校で、とか、子どもたちに配慮したという答えに終始いていたと記憶しています。
このとき、PTAに対して行ったアンケートにも、仮設校舎を建設した際の財政負担については何も示されず、どの方式がいいいか、という項目だけだったとのこと。ここでも、思いやりや配慮が優先し、財政的な問題も含めて、住民の皆さんと一緒に考え、課題を解決しようという姿勢がる、まったく放棄されています。
3番目の問題点です。このように、計画段階から無理があったことが、南小学校の体育館、プールの建設は後回しに、という結果を生みました。
この点についても、学校建設特別委員会で再三問題になりました。体育館やプールができるまで、校庭が使えなくなってしまう子どもたちの不便さを考えても、また、後で別工事にするよりも同時に建築したほうが、経費としてはずっと安上がりになるはず、という点から考えても、同時建設が望ましい、という特別委員会の要望が出されております。
しかし、その点についても、検討するということにとどまり、結局、体育館、プールは別工事となりました。
現在、南小学校の体育館、プールの建設費用としてさらに7億が必要、ということが提示されています。「一刻も早い建設を、という住民要望、議会の要望が強い」とのことですが、だったらなぜ、最初の計画段階から、当然、同時建設を視野に入れ、建設費の捻出を考え、たとえば仮設校舎を建てるのは無駄だからやめよう、というような議論にならなかったのかが悔やまれます。
つまり、本当に長期的な、財政計画も視野に入れた上での、住民要望の実現であったのか、この点について非常に疑問が残ります。
今、谷中小学校跡地について考えるとき、再び市民不在の、行政の結論が先にありき、という進め方になってはならないと考えます。その点について、今までの経過を、どうお考えになるのか、お答えください。
●江川政策部長の答弁
ご質問は、4年前の学校建設特別委員会などの質問でございますので、若干、それに合うかどうか分かりませんが、私どもも担当しておりましたので、お答えします。
特別委員会の中では、いろいろご意見がございました。
先般、学校4校廃校、2校建設については、教育長から答弁申し上げましたとおりでございまして、学区制などを配慮すると、やはり2校を造っていくと、こういうことでございます。
それから、その中でいろいろ不確定な要素が、特別委員会の中でもあったわけでございます。それは、あのとき、跡地利用の議論というのは、今年の、15年3月まで子どもたちが通っているわけですから、あまり、跡地のことについては、その後の議論になるだろうということで、特別委員会の中でご確認いただいて進めたわけでございます。
それから、体育館、プールのことにつきましては、あの中では入札の結果をみて、いわゆる入札の差金がたくさん出るならば、建設したいというような議論もあったところです。
私どもとしては、できるだけ、当初から売却を視野に入れて、と申しておりましたけれど、売却面積はできるだけ狭くしてできないかどうか、いろいろ議論してきたわけでございますが、並木議員の質問にお答えしました通り、17年度には建設公社の買い戻しがある、さらには南小学校の体育館・プールの建設を合わせますと、28億円必要になってくると、もちろん、市の一般財源は14億程度でございますけれど、そういうものをみてきたときには、やはり、前回お示ししましたとおり、いろんなご意見があることは存じておりますが、三分の一は地元のために残して、三分の二は売却できないかどうかと、前回の説明会の中でご提案させていただいた、ということでございます。
もちろん、今後、いろいろ厳しい状況はございますけれども、私どもとしては、住民の皆さんに十分説明申し上げ、できるだけ合意できるように努めていきたいと考えているところでございます。
●2回目の質問
先ほど江川部長から、15年3月までは子どもたちが通っているんだから、跡地とは言いたくない、実際に谷中小学校としてあると、それは言葉の上ではそうなんですね……。
さっき体育館プールの問題、校舎の契約を済ませて、差金があれば、という話があったんですけれども、たとえば家を建てるときに、付属して、アクセサリー的なものだったら、後でゆとりがあれば、ということは分かるんですけれども、学校の校舎を建設するときに、体育館・プールというのはあくまで校舎と一体となった、子どもたちの学舎である、というお考えはおもちだと思います。
それを考えますと、今回の問題は、やはり、計画を進める最初の段階から、計画の全体像をきちんと示して、住民の皆さんと検討することが必要だったと思います。
住民の側からみますと、一つ終わるとその次の問題、また一つ終わるとその次の問題と、次々に新しい問題が起こるたびに、新しい問題提起がなされる、これがとても不信感になっていると思うんですね。結局、市民不在で、何を言っても最初から行政は市は、青写真を描いていて、それを進めるために住民を説得しているんじゃないかという不信感は、全体像が示されないことから出てきていると思うんです。
当初、跡地利用は検討会議というものを設置し、住民の皆さんを交え、元の地権者も交えて検討するというふうな説明でしたが、これも、この間の並木議員の質問に対する答弁では1回も開かれていなかったし、設置されていなかったということも明らかにされましたよね。
住民の皆さんとの話し合いというのは、平成14年度は、元の地権者の方も含めた自治会役員の方と2回やっただけだということになりますと、この間の6月に開かれた住民説明会、あれが跡地問題に関する事実上のスタートと考えていいということになりますね。その点について、伺いたいと思います。
で、その説明会には、隣接する武里団地の住民の方や、あるいは現在谷中小学校の校庭や体育館を利用しているスポーツ団体には、案内がありませんでした。それが判明して、もう1回、その人たちも含めて説明会を開くとの説明をそのとき頂いたのですけれども、その2回目の説明会が開かれるのが、やっと10月11日にということですよね。
すでに4カ月近く経過しています。
こういう風に、こういう経過をたどっていって、私が聞いたのは15年度中に跡地問題については方針を決めなければいけないというように伺っているんですけれども、こういう進め方をしていって、やっと住民の皆さんとはじめて説明会が開かれるという時期になって、もう期限ありきで無理矢理、合意とか説得とかいうことになったら、これはやっぱり後々まで禍根を残すことになるのではないかと思います。
本当にこのような進め方で、住民の皆さんの合意が得られるのか、疑問を持たざるを得ません。
この6月の説明会の中でも、売却するにしても体育館はぜひ残したいとか、いや、グラウンドを残してほしい、いや、校舎を残してほしいとか、意見が三分したのは、私も聞いております。そのほか売却しないでほしいという声もありますから、四通りということになります。
これを合意にもっていくのは、とても大変なことだということは、よく分かります。
だから、住民要求を聞いていては、話が進まないとお考えになるでしょうか? そういう風に考えていては、住民参加というのは、どんなことがあってもうまくいくはずがないと思います。いろいろな意見があるからこそ、納得がいくまで、合意に達するまで、とことん、話し合いをする、それがまず、住民参加の第一ではないでしょうか。その点については、いかがお考えでしょうか。
で、私は幸か不幸か、その谷中地区に住んでおります。で、近隣の皆さんとよくお話するんですけれども、私どもの住んでいる大場谷中地区でも、隣接する武里団地地区でも、高齢化率の非常に高い地域です。
ですから、谷中小学校の校舎、もし解体しないでいいのなら、たとえばお年よりの溜まり場スペースにするとか、あるいは介護保険ではできないけれども、ちょっとした皆さんのボランティアでお年寄りの手助けをするネットワークをつくりたい、だけど民間のボランティアでは、家賃を月に10万も20万も払ってはできないけれども、谷中小学校の跡地を利用したら、そういうボランティアの活動もできるね、という声も聞くんですね。
先日テレビで放映していましたけれども、廃校になった校舎を利用して、あたらしく企業を起こしたいという人たちの起業支援のために、安く教室を貸し出すというような例もありました。
そんな皆さんの要望を実現したとしても、有料にして貸し出したとしても、多分、管理費が賄えるかどうか、といった収入しか期待できないということはよく分かっております。
で、次に地元の皆さんから起こるのは、三分の二を売却したとしても、市が得る売却益が四億余りだとしたら、いっそのこと、この四億、市民公募債を募ってはどうか、という意見も出されているんですね。
ですから、売却に反対している住民の皆さんの声というのは、決して、我が子の学舎がなくなるのはしのびないというノスタルジックな思いではありません。
老朽化が問題になって、近い将来建替えが必要になる、第1、第2保育所の建設も視野に入れた、あるいは地震等の際の避難場所として得がたい公有地であるというような、そういった全体のことも考えて、やっぱり得難い公有地であるから、簡単に売却してほしくない、という切実な思いなんですね。そのことをどうしても知っていただきたいというように思います。
それでもどうしても売却しなければいけないというのであれば、売却したあとにどんな施設ができるのかということによっても、住民の皆さんの考えは違ってくるはずだと思うんです。
たとえば、私が視察した、東京都の日暮里中学校が廃校になった跡地では、高齢者のためのケア付住宅とか、元気なお年よりのためのケアハウス、そしてコーポラティブ・ハウスと呼ばれる協同型住宅、そして保育園があったり診療所があったり、1階には食堂スペースがあったり、という多世代に対応できる、公共施設も併設したマンションがつくられていました。
単に民間のマンション開発業者に売却するのではなくて、売却後、近隣の人たちが共同利用できるような施設、共有スペースも確保できる、そういう業者、今、民間の福祉マンションをつくるNPOなどもたくさんありますから、そういうことも率直に話し合って、市と住民が今、本当に、どういう方法がとれるのかということを率直に全部さらけ出して、合意形成を得ることが大事なのではないかと思います。
沼端小学校の跡地利用も含めて、是非、住民参加のモデル事業にすること、これを是非、実現して頂きたいと思うのですけれども、その点についてはいかがでしょうか。
●江川政策部長の答弁
谷中小学校の跡地の問題をめぐっての議論でございますけれども、片山議員から、4年前の建設特別委員会の中で計画の全体像を示したと、それを住民に示さなかった、こういうことでございますけれども、計画の全体像については、学校建設委員会の中では明らかにしてきたところでございます。
ただそれをすぐ、住民の皆さんに、さっき言いましたけれども、跡地の売却ということは、現実には、本年の4月でないと、子どもたちが通っているわけですから、そのことは全体で確認されて、最初は議論が二つあったわけですよね。学校建設に関することと、跡地に関すること。
しかし、皆さんの議論の中で、跡地利用は削ったんです。学校建設に関してだけやろうということになったことは、ここにいる議員さんの確認でございますので、ご理解を賜りたい。
それから、住民の皆さんには、できるだけ議論の中で示してきましたけれども、議員さんよりも先に示すと言うことは、これは議会軽視とかいろんな問題がありますので、なかなかむずかしい問題ですので、ご理解を賜りたいとこう思います。
それから、あのとき、特別委員会の中でもお示しできなかったのは、南小学校の体育館・プールです。これはやはり、なかなか財源の手当がつかないという財政当局の判断もございまして、お示しできなかった。あとは、おおまかにどのくらいかかるか、示してきた、こういうことでございます。
それから、今まで、経過としては、私どもとしては、並木議員のときも答弁しましたけれども、谷中小学校を建設するときに、あの周辺の方たちは土地を提供した、これは無償ではございませんけれども、協力したと、そういう思いがございますから、その人たちが残してもらいたいという率直な地元の方の要望があるという感情的な面からも、やはり、地元の方々と14年度は重点的に話させていただいたと、そしてその方たちから、全体でもっと考えようということがありましたので、説明会を開かせていただいたという経過でございますので、是非、ご理解を賜りたいと。
それから、今後、土地の売却する条件とかそういうものについては、高層マンションとかいろいろ議員から出ましたけれども、どこまで我々の意見を言って誘導できるかわかりませんけれども、共有スペースとか、我々としては皆さんと一緒に議論する中で、できるだけ、申すものは申して、進めていきたいと、こういう風に考えております。
●3回目の質問(要望)
江川部長、さきほど誘導とおっしゃったのは、言葉の誤りだったという風に信じたいと思います。市の方が誘導するのではなく、住民の皆さんの声をきちんと聞くことからスタートしていただきたいと思います。
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