●2004年9月議会
一般質問・その1 市町村合併について
●1回目の質問
この問題に関しましては、すでに4人の議員からの質問がありました。
そこで、できるだけ重複しない形で質問を進めてまいりたいと思いますので,答弁も質問に則してお願いいたしたいと思います。
まず、一つ目の質問です。
住民投票の結果に対する,合併担当並びに市長の見解はすでにたびたび伺っております。
この投票の結果約36%を占めました反対票を、どう分析していらっしゃるかについて、これについてもいろいろ質問がございました。しかしまだ、市長の適格なお答えを伺っていないように思いますので、まず、この点から伺いたいと思います。
今まで、この「反対票についてどう思うか」の質議や質問に対しては、たとえば、その原因として「説明会に出席した市民の割合が低かった」とか、「『合併協議会だより』や『ホームページ』などの広報が分かりやすさに欠けた」、「若い世代への情報の届け方が足りなかった」などが挙げられていますけれども、これは良く考えると、投票率が上がらなかったことの理由にはつながっても、反対票が36%もあったことの理由に、直接つながるものとは思えません。
唯一、つながっているのかな、と思いますのは、「合併しなければ,今後,市の財政が立ちゆかなくなる。そういった財政面の危機的状況を市民の皆さんによく理解していただけなかったのではないか」とおっしゃっておられる、この点だけが、反対票の,想像以上に多かった理由として上げられているのではないかと思われます。
しかし、私は逆に、市長が「春日部市は合併しなければ,財政的に立ちゆかなくなる」と強調すればするほど、市民の皆さん方が合併することに対して,不安をもったのではないかと考えています。
私は、6月議会以降、議会報告を2号出して、それを届けながらたくさんの市民の方々のご意見を伺ってきました。
その中で、「合併することに賛成できない」、とする方の多くが、「財政的に厳しいからといって、果たして合併して財政状況がよくなるの」か、という疑問をもっている、ということを実感しております。
今,国も含めて、自治体が財政的に厳しい状況にあることはいうまでもありません。この時期に、「合併することによって得られる国からの財政的な支援を当てにして、財政を立て直そうとするのは、不安だ」、という皆さんの声です。
「いや、とてもそれは、財政を立て直すことにはつながらない、一時しのぎに過ぎないのではないか」、という厳しい声も聞かれております。
もし仮に、国が約束どおり、合併後10年間、地方交付税の優遇措置をし、あるいは合併に係る事業に対して,合併特例債などで財政的な支援を果たしたとしても、ではその後の新しい市の財政はどうなるのでしょう。
1市3町の合併協議会がまとめた「新市建設計画」によりますと、この財政支援を受けて、税収が10年間で40億円アップし、3%もの人口増加の見込めるまちづくりを進めるとしていますが、実際に「新市建設計画」をじっくり読んでも、その具体的な裏づけは示されていません。
これらを考えますと、「今、春日部市が真剣に取り組まなければならないことは、まず国の支援にむやみに頼らない財政再建策に取り組むことではないか」、という市民の皆さんの声があります。
「単独でこの財政危機に取り組まず、国の支援だけを当てにすることは、合併後、国の支援がなくなった段階での財政運用にはなはだ不安を感じないわけにはいかない」、これは当然のことだろうと思います。
また、別の側面から考えますと、市長はかねがね、「国が三位一体の改革を進め、市町村が自己責任、自己決定をすることが求められる。そのために合併して、足腰の強い自治体にならなくてはいけない。だから合併は避けて通れない課題である」、と述べておられます。
しかし合併のスタートとして、財政的な危機を国に頼ってのりきろうとする姿勢からは、合併がもし仮に成立したとしても、果たして自己責任のとれる、自己決定をすることができる,足腰の強い自治体になることができるだろうか、という懸念が残ります。
この点の市民の皆さんの疑問について、どうお考えになるでしょうか。
合併に関しまして、二つ目の質問です。
市長は,「7月11日の1市3町の枠組みによる合併に関する住民投票の結果、春日部市では64%の賛成票があったから、合併そのものの支持は得られている、だからたとえ1市2町と枠組みを変えたとしても、このまま合併協議を進めることに問題はない」、とおっしゃっています。
しかし、宮代を含む1市3町の合併と、宮代を除く1市2町の合併では、「新市建設計画」もかなりちがったものになるはずです。
このまま民意を図らずに,合併協議を進め、その先で問題がおこるよりも、まず、1市2町と枠組みが変わった合併協議を進めることに対して、市民の皆さんの合意が得られるかどうかの確認が,必要ではないでしょうか。
秋山議員の同様の質問に対して,市長は、「合併協議を進めるに当たっては,議会の議決を経ることになる。それがすなわち、民意の確認になる」と答弁されています。
しかし、「市町村合併」のように長期にわたる、あるいは将来的に大きく自治体のありかたを左右する問題については、いかに選挙で選ばれた首長や議員であっても、住民はその決定を全面的にゆだねることはできない、という見解から、合併の是非を問う事例が多くなっています。
また、住民投票は、行政や議会と,市民の間の意識のねじれの解消をはかるために必要であるとされています。このことについては、7月11日のの住民投票の結果をみても明らかです。
つまり執行部の100%、議会の80%が、現状では合併推進を主張しています。それにもかかわらず、住民投票における合併賛成票は64%でした。この乖離に、民意とのズレがあることは明らかだと思います。
春日部市の将来にとって,大変重要な問題である合併については、執行部や議会の思惑で進めるのではなく、まず、民意を確認することが必要だと思いますが、この点についていかがお考えでしょうか。
以上、合併に関して二つの点に関して伺いますが、この問題に関しましては、最初から市長に、明確な答弁をいただきたいと思います。
●三枝市長の答弁
市町村合併についてでございますけれども、過日、春日部市においても住民投票をお願いしました。その住民投票の結果、春日部の場合には当初につきまして63.42%の人たちが1市3町の合併に賛成、そして36.58%の人たちが反対という結果が出たわけでありますけれども、過半数を超えて賛成ということで、賛成という要因はこういうところにあったでしょうということを前に申し上げたことがございます。
ただいまの質問はですね、反対の36.58%の反対についてどう考えているのかというご質問かと思います。
私は、36.58%の反対は元々、合併というのは反対なんだと、その人たちの反対の思想は私たちにはよくわかりません。
しかしですね、元々反対だと、いうような人たちと、それからですね、もう一つは、今の春日部でいいんじゃないかと、そして、このままの春日部を自らの努力でもっとよくする努力をすれば、なにも合併する必要はないんじゃないかと、そういう人たちのひとつ考え方じゃなかったんだろうかというように考えておるところでございます。
それからですね、このままだと、春日部市の財政的にですね、大変になると、だからどうしても、足腰を強くするために合併が必要だと、そういう主張をすればするほど、不安を持ったのではないかというご指摘だと思いますけど、私は一般的に考えて、このままだと財政が大変になる、それじゃあ大変だと思うのが普通の考え方なのではないかと思うのですよ。
財政がこれから大変になるからといって不安を感じて合併しないほうがいいということのほうが、なにかちょっと理解に苦しむところがあるのでして、大変ならばそれじゃあ足腰を強くして財政というものを強化していく必要があるのではないかと、そのように理解していただけなかったということ、これはなかなか残念だというように思っております。
それからですね、大変だ大変だといわずに、市の財政の安定、強化をはかれば良いじゃないかと、そういうご指摘かと思いますけれども、ご存知のように春日部市のここ数年の一般会計の総予算からみても、本来からいけば、理想的なのは歳出すべてが市民の税金によってまかなわれれば全く理想的だと思いますけれども、現実の問題としては、春日部市の1年間の歳出は、みなさんからいただく市税はだいたい52%、50%ちょっとです。
あとの40数%がですね、依存財源といって、他に頼らなければならない財源だと、そういう構成の中で、その依存財源を分析してみれば、いわゆる国庫補助金あるいは地方交付税、起債こういうものが主なるものを占めているわけですよね。
その補助金とそれから地方交付税がですね、要は三位一体の中で再検討されようとしているというのが実情でございます。そして、国がなぜこのような再検討するのかというところを考えますと、国がやっぱり国の財政の中からこの問題が生まれてくるのだとするのならば、再検討することによって地方に対する補助金や交付税が増えるとはどう考えても考えられないと、これ、減らされると思うのですよ。
そうなってきた時には、春日部市の今までの歳出が保障されてくるかどうかということについては、これは難しい問題がでてる、それがひいては、市民福祉の介護や国保や、あるいは障害、あるいは保育所という問題も、個人負担にもつながってくる恐れがあると。
こういうことを考えるとですね、やはり私どもで自助努力をしなければならないですけれども、しかしその、財政を増やすという自助努力という具体的なものというのは何かというと、これは具体的なものというのは、なかなか見当たらないと、そういうことから、やはり市町村合併をして、力を強くする。そして、市町村合併の中でできるのなら、住、食、遊、学をバランスの良い町づくりをし、その中で町の活性化を生み、町の豊かさを生むということになれば、そこからいわば豊かな財政確保ということが考えられるということでございまして、やはり、私は将来の春日部市を考えた場合、そして財政安定を一歩でも考えるならば、市町村合併という方向にむけることが至当ではないかとこのように考えているところでございます。
そして、国は今度合併によりまして、特例法によりまして、特例債やあるいは交付税の補填をしておくということ、それをこの合併によって一時いただいても、一時しのぎになってしまうのではないかということでございますけれども、少なくともこれが今度1市3町の枠組みがなくなりましたので、はたして特例債の計算がどれくらい出てくるのかはわかりませんが、70%は早くいえば返さなくてもいいですよという、こういう起債であったとするならば、やはりこの際は国からお借りして、そしてまた、起債の枠をもらって、そして春日部市の市政に使うということになれば、私はそのほうが将来の色々な春日部市の福祉をさらに維持していくものだとか、有効な使い方ができてくるのではないかというようなことでございますから、せっかく70%は返さなくてもいいという起債を認めてくれてるのであれば、起債は借金が増えるからいけませんという考え方も、ちょっと私には理解のできないところでございまして、やはり、こういう交付税の特例措置ですとか、特例債というものは、いただけるものは積極的にいただいて、市民のために活用することが必要ではないかというように考えているところでございます。
そして、三位一体の話がでましたけれども、これは補助金はこれからは一定の補助金ですけれども、今までの補助金は国のほうからはもう支出しませんよと、一切地方にはだしませんよと、その代わり、それに変わるものとして、税源委譲を認めましょうと、その税源委譲はなんたるものかはですね、私のほうも、よくわかりません。
しかし、金額に合わせながら、税源委譲してくれということになって、その税源委譲が市町村に今度は任せられるようなことになった場合に、私は、一つ不安に感じているのは、今までは国税として取り上げてきていたものが、今度は、仮に春日部市の場合には、市税として取り上げることになった時には、春日部市の市の機構のなかの徴収課で取り上げなくてはならない、今までは税務署で取り上げてたものを、今度は市税課で徴収しなければならないということになってきた時には、果たして対応状況等が今後どう移ってくるかということについて、私は不安を感じていて、それはそれとして、今度税源が移ってきた場合、今度は市の政策、市の考え方によって税金使われるという事、そこに自己決定、自己責任の問題が生まれてくるのですから、この点については、それこそ慎重に取扱っていかなければならないだろうというように考えるところでございます。
それから、もう一つはですね、民意を聴取することが必要だということでございますけれども、それはその通りでございます。
やはり、私どもといたしましても、一つの地方自治を持って、自治体の形態、あるいはものの決め方というものがきちっと位置付けられています。
そういう意味では、市民を代表する機関が議会ということが法律の中で決められておりますけれども、しかし、できるだけもっと広く意見を問うことも一つの考え方だと、これは私も分かります。
ただ、今度の場合はこれから1市2町ということを遂行していく場合に、これから法定協を組む、新市建設計画を作る、合併公約を作る、そういうようなことの中で、3月31日に間に合うのかと、片山議員さんは、いやいいじゃないかと、特例債だとか交付税の支援をうけることなど考える必要はないじゃないかといいますけれども、私どもといたしましては、3月31日というものを一つの基本として考えておりますので、その中でこの問題を取扱うとするならば、なかなか住民投票なんかをして、それだけを遂行していくだけの時間的なものがないということの中で、この際、住民投票そのことについても住民意向は1市2町の枠組みが決まったこれからのことでございますけれども、今のところは考えてないと申し上げたところでございます。
●2回目の質問
先ほど、冒頭に市長のほうから、反対票を投じた方が、何を考えているのかわからないというご答弁をいただいてしまいました。
確かに、中には今までの春日部でいいのではないかという方々もいらっしゃいます。
その次にですけれども、「財政的に厳しくなるから合併しないという選択はどうしても考えられない」というご答弁いただきました。
しかしですね、「市民のみなさんの中には財政的に厳しい状況だからこそ、合併をしないという選択をするべきだ」という声があることは事実なんです。
この点ですけれども、市長はまた、今、合併することによって特例債をいただけると、この特例債は70%のちに国が地方交付税の中の公債費として参入してくれるのだと、この有利な借金を使わない手はないと、これはずっと前からいってらっしゃいます。
だから、この合併特例法の期限内に合併をまとめなければいけない。だから、住民意向を調査している時間はないのだという論法になるのかなとうかがいました。
国が合併特例法の期限内に合併をまとめれば、これだけ支援しますよという、この財政的支援の中身なんですけれども、特例債も含めて、ちょっと考えてみたいと思います。
今、手元にデータがありますのが、確かに市長がさっきおっしゃいましたように、宮代町を含めました、1市3町の合併の財政計画です。
ですから、多少金額等違ってくるかと思いますが、普通交付税の支援として、当初5年間で約25億、特別交付税で当初3年間で約10億、そして合併特例債の元利償還分として10年間で約96億、計131億もの支援があるというふうにしています。
この中身を見てみますと、普通交付税の概算、5年間で20億というのは一つには合併した後に、合併しない前の補正計数で交付税額を決めますということだと思うのです。この合併前の交付税額の補正計数というのは人口規模と面積規模で決めるとおもいますので、そうしますと、人口10万人の都市を基準としているこの補正計数ですけれども、人口20万人である春日部市にとって合併したからそんなに有利な優遇措置というように言えるのでしょうか?
それから、もう一つ、この普通交付税に参入される分ですけれども、合併直後に生じる、行政の一体化に必要な経費とか、行政水準、住民負担の水準の格差是正、そういった経費が普通交付税に参入されると思うのです。これは、合併しなければ必要のない経費ではないでしょうか。
それから、同じ地方交付税の中から、特別交付税ですけれども、この特別交付税というのは、普通交付税と違いまして、すべて新たな町づくり、あるいは合併準備やシステム統合にかかる経費としてこうじられる措置に対して交付されるものだとなっています。そうするとこれも、合併しなければ必要のない経費ということになります。
合併しなければとくに特別交付税をたくさんいただかなくてもいいのではないかという計算になるのかとおもいます。
特に地方交付税については、地方財政計画、本当に日替わり定食といいますか、年変わりといいますか、毎年状況が変わってきております。
15年度から、特別交付税が大幅にカットされておりまして、15年3月までに合併した市や町も例外なく大幅にカットされています。
そういう状況を見ますと、今までの1市3町の「新市建設計画」で示しております国の財政的支援、仮に新たな枠組みの合併協議で進めるとするならば、大幅な見直しが必要になってくるのではないでしょうか。
そして、見直しをした上で、今の財政計画にはないのですけれども、春日部市が単独で存続する場合、そして合併した場合、この違いをもっと明確に市民のみなさんに示す必要があるとおもいますけれども、その点いかがでしょうか。
それから、国の財政的支援の3つ目であります合併特例債についてです。これは大いに議論の分かれる所だとおもいます。
合併に反対、もしくは慎重とする市民のみなさんの声、現在の財政状況で難しい建設事業を、いくら国の支援があるからといって、合併特例債という新たな借金をしてまでする必要があるのかどうかという意見です。借金を増やしてまで新しい箱ものはいらない、という率直な感情です。
先ほど市長がおっしゃいました、国がのちに元利償還部分70%をみてくれるよといいましても、30%は新たな借金になることになります。
ここに一つ興味深い指摘があります。それは、国が景気浮揚策として、のちに国が一定額の支援をするからといって、地方に借金を進めてきた。それに素直に従った自治体が今、財政的に厳しい状況におかれているというものです。
ちなみに、春日部市の場合、調べてみました。あくまでも、これは私の計算ですけれども、国が後年地方交付税の公債費に80%あるいは50%あるいは60%参入するとして起こした地方債の残高、実に春日部市、現在、約500億円にのぼっているとおもいます。
このうち、減税補填債、交付税の赤字部分を行う、臨時財政対策債などは除きまして、概算ですけれども、市が単独で返さなくてはいけない部分、この500億円のうちの200億円前後になるのではないかと思われます。
財政難のおり、義務的経費の一つとなって自治体の財政を硬直させている大きな要因となっているこの公債費、これ以上増やすことがはたして、得策なのでしょうか。
国も地方も、財政難の原因としてバブルの崩壊をあげております。しかし、地方の借金である地方債残高、バブル崩壊前の1990年では68兆円でした。しかし、2003年昨年度末ついに199兆円となっております。つまり、不況になってから3倍近く借金がのびているということですね。
まして、国の債務残高、地方と合わせて700兆円といわれております。この借金は結局は増税というかたち、あるいはなんらかの経済政策という名をかりたインフレ誘導策等でのちに国民の負担が増すという懸念はありませんか?
ここで、国民負担率というものを考えてみたいと思います。現在、日本の国民負担率は、租税負担率、税金が21.1%、社会保障負担率で14.4%、合わせて35.5%です。
しかし、将来的に国民負担でなるであろう国民所得に対する財政の赤字の割合が実に9.6%になります。これを合算いたしますと、今、日本の国民がおわせられております、潜在的な国民負担率は45.1%にのぼるというふうにされています。
現在の国民負担率、この潜在的な負担率がおわされることによって一挙に1.25倍に跳ね上がるという懸念があるわけです。
ですから、国も地方も今、しなければいけないことは、まず借金をいかにしないか、いかに減らすかということであり、有利な借金に見えても、実際に後に国民であり市民にとって有利とはいえない借金になるのであれば、もっと慎重に考える必要があるのではないでしょうか。
また、合併特例債に関しては、さらに疑問があります。
合併特例法が制定されてから、今年の3月31日までに合併が成立した自治体は64市町です。
この64市町が仮に合併特例債平均30億、起債したとすると約2兆円、春日部市の新市建設計画規模の50億円とすると約3兆円にもなります。
現在、合併協議を進めている法定合併協議会604あると聞いています。もし仮に、このすべての合併が成立し、来年3月の合併特例法の期限までに新たに604の市町が誕生し、このそれぞれが合併特例債を活用したら、毎年、今後特例債の起債は20〜30兆円という計算になるわけです。
国が地方財政を見直すために進めた、この市町村合併ですけれども、果たして国の地方財政、この負担にたえることができるのでしょうか。
以上あげたような疑問から、合併特例法の期限内に合わせて、国の財政的支援をあてにして、いたずらに合併を急ぐのではなく、一度は2市3町が白紙になりました。そして今、1市3町という枠組みが白紙になりました。2度白紙になったこの現在、改めて春日部市の将来にとって合併が必要かどうか、合併によって新しい町づくりを進めたいというなら、どのような枠組みが良いのかも含めて、改めて市は情報を提示し、その上で民意を問うべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
市長は、この国の合併にのらない手はないというふうにおっしゃっていますけれども、現在、法定合併協議会に参加していない自治体は全国1/3あるわけです。この自治体は自分達が独自で財政再建をするために、新たな試みをしているわけです。そういう自治体もあります。そういうこともふまえて、どうお考えになるでしょうか?
以上2回目の質問です。
●遠藤財務部長の答弁
交付税の公債費の関係については、私のほうからご答弁させていただきます。
まず、普通交付税の件についてでございますけれども、今、片山議員のお話ですと、合併の関わりですけれども、交付税の算定にあたっては、基本ベースは人口で計算するのがベースになっております。
これは御承知のことと思いますけれども、その他、人口が変わる場合があるわけですけれども、それについては段階補正でされますので、その補正計数によって措置をされるということになるわけです。
10万だから同じじゃないかということかもわかりませんけれども、そうではなくて、段階補正で措置をするということでございます。
それから特別交付税については、これはご案内のことと思いますけれども、特殊財政事情によって措置されるものでございまして、総額の中、私も確かなものではございませんけれども、6%部分だと思いましたけれども、それは交付税として確保されているわけです。
それは、今申し上げましたとおり、特殊財政事情ですから、今、いろいろ提出をいたします。地盤沈下ですとかいろいろあります。それに合わせて、合併がそうなれば、特殊財政事情の一つとしてカウントされるということになるかと思います。
それから、財政の厳しい状況の中で、交付税の参入される地方債が500億円というお話がありました。これは下水道とか特別会計を含めた数字だと思いますけれども、それについては財政対策債ですとか、景気対策の時にいわゆる地方債の発行がありました。
それは、その時の状況によりますけれども、ご質問の中にもありました、80%とか60%とかいうことで需要枠参入されると、それは約束でございます。
それから、臨時財政対策債等については、100%という約束になっておりまして、現に理論参入いたしますけれども、100%超えての参入の時もありますし、そういうことであります。
したがって、その残りの部分については、それは公債費の一般財源で消化するというのが、その時、発行の時の約束でございますから、額が残るというお話がありましたけれども、それは結果的な話だというふうに思います。
●米山合併推進調整担当参事の答弁
1市2町の財政予測でございますけれども、これは当然必要なことでございますので、早急に作業に入らせていただきます。
●三枝市長2回目の答弁
今、質問にもございましたように、国、地方合わせまして、700兆円超える借金があると、私はここではいろいろ根源を占めているのだと思うのです。
ですから、地方分権もあるいは行政改革もあるいはまた、三位一体もここらのところから出発しているのだと、それがですね、市町村合併につながってきているのだと、いうふうに今感じているところでございます。
国もだからこそ借金をしたくないというようなことで、16年度の当初予算を組む時に借金を、できるだけ30兆円落とすということで前振りしながら、予算編成しながら、結果的に30兆円超える予算を組まざるをえなくなった。
やはり、国民の声にこたえていくというためにはやむを得ない、というのが一つの借金の膨らましにでてきているのではないかと考えております。
私もですね、借金をするということがいいことだとはけっして思っていません。
しかし、例えば、春日部市を例にとりましても、年間の支出が50%近いお金が、依存財源でなければ春日部市も年間の予算が経常できないという状況の中で、たとえば前々から話がでていますように、市立病院の西棟をどうするのですかと、あるいは東中学校をどうするのですかと、こういう話が出た中では借金してでもいいからやるべきだろうという意見もあるのです。
そういうことを考えると、やっぱり起債も必要なんです。
そういう起債を考えていくという形の中で、私は特例法の中で70%は返さなくてもいいという起債があるのならば、この30%起債含めたなかでの、特例債を使った方が、もっと春日部市のためにも市民のためにもなるのではないかとこのように考えます。
基本的に合併というものについて、特例債があるから合併しているわけではなく、やはり根源はこれからの三位一体の国の財政という構想の中で市町村がこれからは、福祉なども十分に遂行していくとともに、このこれからの三位一体でうける影響から考えると、今までの福祉で維持できるのであろうかと、不安もあるのですよ。
これは全国どこの地方自治体でも持ってると思うんですね。
だからこそ、今のうちに、可能な限り市町村の力を強くする、これは今日明日で強くなるわけにはまいりませんけれども、やはり一定の規模の地積や人口をもちながら、産業をもっと開発させ、そして、その町の豊かさを求めていくということは、今の春日部市の地積、人口では無理なんです。
こういうことを考えるとやはりこれは、一定の規模をもった自治体を作らなくてはならない。これから国の三位一体からうまれてくる財政というものをどう広めていくかということ、将来の春日部市の問題にも関わってくると、こういうものの中から合併の必要性を申し上げているところでございます。
それから、もう一つは、他にも合併しないところがあるではないかということですが、私はそういう町村はみておりますと、自立できる町村が多いんです。
町の財政だけでなんとか町が財政が生み出せるようなところがあり、特に都市基盤なんか必要としないところ、温泉があったり谷があったり森があったり、そういう自然があったり、十分に整った所は比較的、合併というものについて目をむけていないのは事実です。
しかし、そういう環境がそういうことをつくり出している、ということでございまして、少なくとも、東京都の近郊の市町村等においては、みなさんがこの合併については最大限の関心を持ち、可能ならそういう方向を企図しているとそれが実態ではないでしょうか。
●3回目(要望)
市長は、市民の要望として、東中の建て替えや病院の西棟の例をあげられました。
で、これを実現するためには、春日部はお金がないですから、起債をしなければいけない、起債するとしたら有利な借金、ということだと思うのですけれども、合併特例債というのは、使途の限られている借金というふうに伺っています。
で確かに、今までの特例債を使った事例をみますと、学校の補強とか、そういったことにも使われておりますけれども、それは格差の是正ということであったり、条件がついているはずだと思います。
で、この合併の議論の中で、この合併特例債を、あたかも今春日部市がやらなければならない事業に充てられるのだということをおっしゃるのは、私はこの合併議論を進めていくときに、他の町にもちょっとどうかな、という懸念もありますし、合併特例債そのものの本来のあり方ということについても、真剣に考えなければならないのではないかと思います。
それで市長は、市長だけでなく、前にありました「新市建設計画」の中にも、「今のままでいくと、福祉や教育のレベルを今のままで維持できなくなるのだ」と、ちょっと考えますと、おどし文句のようなところがあるんですけれども、合併しない選択をした市町村は、必ずしも市長のいわれるように、恵まれた市町村だけではありません。その中で、本当にこの三位一体の改革の中で、どうやったら自立できるのか必至に模索している状況です。
それこそが足腰の強い自治体になるための、一つのステップになるのではないでしょうか。
今までのやり方を踏襲しながら、合併することによって自立したまちをつくろうとするのか、あるいはここで本当に大胆な改革をめざして自立した都市をめざすのか、これについてどっちを選択するのか、是非、市民の皆さんの意思を問うていただきたいと思います。
トップへ>>>議事録・発言集
|