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一般質問(2006年3月13日)その1
障害者福祉施策について

■1回目の質問

・障害者自立支援法施行後の施策について
 はじめに、障害者福祉施策について、2点にわたってお伺いいたします。
第1点、障害者自立支援法施行後の施策について、お尋ねします。
 
 障害者自立支援法は、4月より施行されることになりますが、施行後の諸施策についてはいまだ不透明な点が多く、実施要綱が示されるのが4月以降になるといわれています。
 とりあえず、18年度については各自治体は、従来の支援費制度を踏襲するとのことですが、それと並行して、10月以降の本格的な実施の体制に向けて準備をすすめていかなければならないことと思います。

 というわけで、細かな施策については実施要綱が示されてからのことになりますが、この間、自立支援給付事業の骨格が次第に明らかになってきました。

 そのうち、最も大きな問題は、本人のサービス給付費の一割負担ですが、この点については国の決めた法律の問題点ですので、今回は、これで本当に自立支援策になるのか、と不安を抱いている点について、ぜひ、春日部市がこの法施行後に行政の責務として担っていただきたい、と願う点2点に絞って伺います。

 まず、第1点。
 施設に入居せず、地域で独立した生活を営むために、障害をもつ方と地域の人々がつくりあげてきたものの一つに、生活ホーム・グループホームがあります。これは後に県の単独事業となり、県と市の支援によって支えられてきた事業の一つです。

 障害者自立支援法の中では、これに類似した事業として、一つは訓練給付の中に、グループホーム事業(共同生活援助事業)として位置付けられております。

 しかし内容をみますと、グループホームにはまず、サービス管理責任者がおかれるとあります。
この管理責任者は、
@グループホームで暮らす人の個別の支援計画の作成
Aサービス内容の評価
B日常活動事業者との連絡調整
 この3点を担うとされていますが、この管理者は入居者30人に対して一人、配置されるとしています。

 そのほか、グループホームにおかれる予定なのは、世話人と位置付けられる人で、おおむね入居者10人に対して1人配置され、家事支援とともに、日常生活相談支援と利用者負担費の管理を行うとされています。

 このグループホーム事業は、訓練給付に位置付けられているように、障害の重さを量る、いわゆる障害区分としては、比較的軽度の知的及び精神障害者が対象となるとされています。

 一方、重度の知的及び精神障害の人に対しては、今度は介護給付の中の位置付けとして、ケアホーム事業(共同生活介護事業)というものが予定されています。
 このケアホームには、先のグループホームと同様、30人に1人のサービス管理責任者、10人に一人の世話人、それに加えて、やはり入居者10人に1人の割合で、身体介助にあたる生活支援員が配置されるとのことです。
 障害区分の重い人に対して、果たして10人に1人の支援員の配置、というのがいったいどんな基準から生まれたものか、はなはだ疑問に思うところですが…。

 それはさておき、
 これまで障害をもつ人と地域の人がつくりあげてきたグループホームと大きく異なるのは、従来のグループホームは、ほとんどが小規模であり、5,6人、あるいはせいぜい10人単位で、それぞれ独立した居室をもって暮らしながら、家事支援や身体介護に対しては、それぞれ個人個人が介助者をつけて暮らしてきた、という形態をとっております。

 また、このグループホームは単に暮らしの場であるだけでなく、日中はグループホームを出てどんな活動をするのか、地域社会の中での暮らし方のルールなどの支援もまた、介助者が担ってきました。

 それが自立支援法の下で、規模は2〜30人と幅を持たせるといっても、管理責任者が30人に1人ということでは、必然的に30人規模のホームが今後整備されていく方向になるだろうと思われます。
その管理責任者や世話人といった人たちが、複数の障害をもっている方の生活を支えきれるのか、そこがもっとも懸念されるところです。

 また、これまでのグループホームは、障害の種類や障害の重さ、自立支援法でいうところの障害区分などにかかわらず、地域で暮らしたい、と思う障害をもつ人を受け入れてきました。それが、障害種別や障害区分で、分けられるということにも疑問が生じます。

 さらに従来の生活ホームは、小規模であるがゆえに、きわめて採算がとれない事業であり、営利事業所ではなく、地域の人たちの支えによって成り立ってきたという経緯があります。
 それが30人規模のグループホームやケアホームという位置付けになるということになれば、せっかくの施設から地域へ、という障害者自立支援法の理念に反し、小規模な施設が増える、という結果になり、真の自立支援にはいたらないのではないか、という不安があります。 これが、障害者自立支援法施行後の一つ目の問題点です。

 さらに、障害者自立支援法施行後の問題点の二つ目として、ディケア施設に対しても、大きな不安があります。

 このディケア施設は訓練等給付の中に位置付けられ、就労支援や日常生活訓練の場とされます。
 ところが今後は、通所した日数によって、給付費が決められることが示されています。

 障害をもっている方は、健康な人と違って、毎日通所することが困難、というケースが少なくありません。
 今までは通所者の身体の状態や精神状態にあわせて週に2回通う、あるいは3回通う、というふうに組み立ててきました。このようなデイケア施設は、今後、大幅な減収になることが予測されます。 

 厚生労働省では、そのような現状を加味して、定員の一定の割合で通所者をオーバーして受け入れることもできる、としていますが、これは、現実とは大きくかけ離れた措置だと思います。

 ディケア施設は、単に通所したときのケアだけでなく、通所している人がどのような活動をしたら、地域で共に暮らしていけるのか、あるいは、通所しない日の過ごし方をどうするのか、といったケアもしてきました。

 つまり週に2日しか通わない通所者の方と、5日通ってくる通所者の方と、職員のかかわり方に今までは変わりは無いわけで、簡単に定員以上の受け入れができるか、というと、地域での生活を可能にするために支えようとすればするほど、それは不可能になってきます。

 また、今まで生活支援と就労支援の両方の役割を担ってきたデイケア施設が、今後、自立訓練給付を選択するのか、就労移行支援給付を選択するのか、という二者択一の選択をしなければなりません。
 それに加え、就労移行支援の場合は、2年間で就労にこぎつけなければならない、という義務も生じてきます。

 このようなことを考えますと、今まで行政と地域が力を合わせて育ててきた生活ホーム事業やディケア事業であるからこそ、簡単に障害者自立支援法の事業に移行せず、県の単独事業として存続させてほしいという思いがあります。

 これは障害者団体からも県に要望しておりますが、ぜひ、今まで県と一緒にがんばってきた春日部市としても、県と一緒に県単独事業の存続の可能性について、とくに財政的に、障害者自立支援法の事業に移行した場合と、単独事業として残した場合、財政的にどのような負担の違いがあるのか試算をしていただき、検討していただきたいと考えます。その点について、お答えいただきたいと思います。

・障害者就労支援センター
 次に、2点目、障害者就労支援センターについてお伺いいたします。

 いよいよ、春日部市でも、18年度から就労支援センターが設置されることになりました。
また、この支援センターを委託することなく、春日部市の障害者福祉課が責任をもって運営するということは、本当に大英断だと思っております。

 さらに障害者福祉課が運営する根拠として、単なる就労支援だけではなく、就労継続支援も含め、就労のためには生活支援の役割も担う必要がある、ということから、委託ではなく直営にする、という判断を下したことも、大いに評価できると考えます。

 そこで、この就労支援センターについて、2点、お伺いいたします。

 一つは、開設する場所です。樋堀にあるリサイクルセンターの2階に設ける、とのことです。
 しかし、この場所ですと、駅からの距離があり、障害をもっている方にとっては、かなり不便になります。市役所内、あるいは駅前にあるワークプラザの一画に設けることができないのか、お尋ねします。

 18年度からは、今まで、ハローワークの中にあった高年齢者職業相談室が、駅前のワークプラザに移転することになった、とのことで、18年度の予算案には賃貸料が予算計上されております。一緒に障害者就労支援センターも、ぜひ、ワークプラザに設けてほしかったと思うのですが、その点について、ご検討いただけないか、お伺いいたします。

 就労支援センターに関して、2つ目の質問です。
 開設時間ですが、平日の9時から5時と伺っております。
 これから職を探す方にとっては、この時間帯の利用も可能でしょうけれども、就労継続支援をするという点から考えると、仕事をもっている方はなかなか利用できないことになります。

 不況が長引き、今、軽度の知的障害をもっている方や精神障害の方は、長い間勤め続けた職場を解雇される例が後を絶ちません。その後、なかなか職が得られず、不安定なパート労働を余儀なくされたり、あるいは障害者枠、というきわめて低賃金の雇用に甘んじている方も少なくありません。
 年金の受給資格もなく、一生懸命働いて生活を支えようとしている、これらの軽度の障害者の方々は、まさに制度のハザマにおかれているといってもいいと思います。

 今後、就労支援センターでは、職場開拓も積極的に進めるとのことで、その点は大いに期待しておりますが、今、かなり条件の悪い中で働き、悩みを抱えている障害をもっている方の支援を進めるためのセンターとして、平日の9時から5時以外にも是非相談窓口をあけていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。

●米山福祉部長の答弁

 障害者自立支援法施行後の、生活ホームや心身障害者地域デイケアを引き続き県の単独事業として存続することを埼玉県に要望できないか、という点についてお答えいたします。
 埼玉県にこの二つの事業が障害者自立支援法の事業再編の対象になるか確認しましたところ、現時点では国から具体的なことについて示されていないため、何も申し上げられない、とのことでした。

 埼玉県では、平成18年度につきましては、今年度同様、県単独事業として事業を実施し、平成18年度中に平成19年度以降の事業について検討していくということなので、今後動向に注意していきたいと思っております。

 市としましては、障害者にとって必要と考えられる事業につきましては、県事業として存続することを、要望してまいりたいと考えております。

 続きまして、障害者就労支援センターについて。
 就労支援センターの場所を駅周辺に開設するなどして、春日部市全域の障害者が利用できないかについて、お答えします。

 春日部市就労支援センターの業務としまして、現場実習の実施を考えております。企業での実習の前に、実習の機会を提供することで、新たな作業能力の発見、就労に関する課題の把握、障害者の作業能力を高めるなど、障害者就労に対して有効な業務であると考えております。
 この実習場所として、春日部市心身障害者リサイクルショップを考えております。リサイクルショップでは障害者が多く就労している企業の作業を中心に行っておりますので、この作業を実習することは、障害者にとって非常に有効なものであると考えております。
 この実習を継続的に行っていくためには、リサイクルショップとの連携が必要不可欠であると判断したため、就労支援センターをリサイクルショップに併設するものでございます。
 このような目的をもち、事業実施場所を選定いたしましたので、ご理解いただければと思います。

 ただし、心身障害者の職場体験を18年から福祉部で試行実施する予定でございます。段階的にジョブコーチにつなげて参りたいというふうには思っております。

 続きまして、多くの障害者が相談できるように、夜間及び休日も開所してはどうかというご提案についてお答えします。

 障害者就労支援センターの利用につきましては、月曜日から金曜日までの午前8時30分から午後5時15分を予定しております。
 しかし就労相談であっても、相談内容には日常生活に関連する内容等、多岐にわたるものが発生し、市等の関係機関と調整が必要になる内容も多くございますので、休日であると調整ができない可能性もあります。従って十分な助言等ができなくなることも予想されます。

 以上のことから、現在予定しております利用日時で事業を実施していきたいと考えておりますが、貴重なご提言として受け止めさせていただきます。今後の参考にさせていただきたいと思います。

■ 2回目の質問

「障害者自立支援法」との絡みですけれども、当面、18年度は県は単独事業は存続させると、で19年度以降については18年度の中で検討していく、ということでした。

 それで、「障害者自立支援法」が施行される前の、ただいまの支援費制度ですけれども、この支援費制度の中でも、埼玉県は県の単独事業を残しているわけです。

 特に春日部市の場合は越谷市と一緒に、「全身性障害者介護人派遣制度」を県がうち切ったあとも市単独でやって、これがまた県事業として復活した、今までやはり国が法を決めても、じゃあそれでカバーできないところはどうするのか、ということを市としてしっかり支えてきてくださった、という歴史があります。

 是非、「障害者自立支援法」施行後に対しても、やはり障害を持っている市民の方の安全・生活を支えていくのは市町村の役割ですので、是非、「全身性障害者介護人派遣制度」のときのように、市が財政的に負担するものがどういうものか、という比較をきちんとし、市ができることは支えて頂きたいと思います。

 それから「就労支援センター」ですが、これからオープンするということで、まず第一歩から、ということだろうと思います。
 そこで、この就労支援センターを運営しながら、やはり障害当事者の方の声をきちんと聞いて、障害をもっている方が働ける、そして働き続けられる、それを支えるセンターに育てていって頂きたいと思います。

 この2点に関しては、障害者プラン、この基本計画のところではきちんと障害当事者の方々の参加を得て、声を反映して頂いたプランができました。

 今後、合併がまとまりまして、実施計画に移っていくと思います。今年度中に(注:まちがいです。18年度というべきでした)実施計画に着手するだろうと思いますが、基本計画のときのように、きちんと障害当事者の方々をプランを策定する委員の中に入れていただき、障害をもっている方にとって、本当に望まれるプランにしていただきたいと思いますので、その点についてお答えいただければと思います。

● 米山福祉部長の答弁 

「障害者自立支援法」施行後も、障害者の安全・生活を支えるのは市町村の役割、というのは十分認識しているところでございまして、「全身性障害者介護人派遣事業」と同様、障害者にとって必要と考えられる事業については、県事業として存続することを要望してまいりたいと考えております。

 次に「障害者就労支援センター」につきましては、私としてはまず第一歩というふうに思っておりますので、今後、障害者の方の声をお聞きしながら、運営に努めてまいりたいと考えております。

 それから、障害者計画の中で、障害者の意見を反映することにつきましても、反映できる体制を整えて参りたいと思っております。

● 石川市長の答弁

 「障害者自立支援法」施行に伴う市の施策についてのご質問に対しては、すべての障害者の就労支援や生活支援を実施することは、地域で障害者がその特性と能力に応じて、可能な限り就労し、自立した生活を送るための施策として、非常に重要であると認識しているところです。

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