●2006年6月議会
★一般質問(2006年6月5日)その1
鉄道交通に関する諸問題について……開かずの踏切り対策
■1回目の質問
鉄道交通に関わる諸問題について3点にわたって伺います。
まず第1点、開かずの踏切り対策について伺います。
春日部市には、開かずの踏切りが11カ所あります。 そこで私は、他の市・町でも、かなりこの開かずの踏切りの問題で困っているのだろうと思いましたところ、なんと、埼玉県内には31カ所しかないとのことで、大変驚いたわけです。
そこで、この問題については、先の3月議会でも質問いたしました。
3月議会での、私の質問に対する部長答弁は、
「まず春日部駅周辺の連続立体交差事業の早期完成を目指し」
であり、その他の開かずの踏切りについては、
「この進捗状況を見極めながら情報収集につとめ、判断していきたい」
というものでした。
また、市長の答弁も、
「長期的な課題として取り組んで参りたい」
とのことでした。
そこで、改めてお伺いいたします。
3月議会でも申し上げましたが、春日部駅周辺立体交差事業で解決する「開かずの踏切り」は2カ所です。
春日部市にある11カ所の開かずの踏切りのうち、9カ所は、春日部市の人口の約三分の一近くが住んでいる、武里地区に集中しています。
春日部駅周辺の立体交差事業が完成するのは早くて10年先、場合によってはもっと先になると言われています。
その後、他の踏切り対策を、ということになると、この9カ所のうち、県事業として道路をアンダーにすることが計画決定している107号踏切以外の対策は、一体いつになるのか、メドが立たないということと同じなのではないでしょうか。
3月議会でもふれましたが、国では、昨年の竹塚の踏切り事故を受け、この開かずの踏切り対策を重要課題としており、国土交通省は全国にある開かずの踏切りと、踏切遮断交通量の多い踏切りを加えた「ボトルネック踏切」1,000カ所について、緊急対策案をまとめております。
それによりますと、
・踏切りの拡幅や保安設備整備その他の即効対策で改良可能な踏切り約200カ所に対しては、平成19年度までに対策を講じる。
・ボトルネック踏切りは、平成22年度までに連続立体交差等の抜本対策により、半減する。
としています。
そのために、本年1月までに、ボトルネック踏切りを中心として、早期に点検する必要性が高いと思われる約2,600カ所の踏切りについて、「踏切交通実態総点検」を行い、そのデータから、3月までに緊急対策踏切りを抽出・確定する、としています。
この点検は、各地方自治体が、緊急対策踏切りとして申し出があった踏切りに対して行われると聞いています。
春日部市では、多分、改良策のメドがたっていない8カ所について、点検を申し出たことと思いますが、念のため、確認させていただきます。国に緊急対策として申し出たのは、何カ所でしょうか。
また、すでに、このデータによる抽出・確定の作業は済んでいると思われますが、その結果はどのようなものだったでしょうか。
●角田建設部長の答弁
ご質問の開かずの踏切りについてお答え申上げます。
平成18年1月に国土交通省より、踏切り交通実態総点検及び、踏切り対策の推進についてが示されました。
これは全国の道路管理者及び鉄道事業者協力のもと、全踏切り約3万6000箇所を対象に、渋滞の状況など今までの調査で、データのない事故等について把握すべく、踏切り交通実態総点検を実施するとともに、総点検の結果をもとに緊急に対策が必要な踏切りを確定させ、今後5ヵ年の整備計画を策定するものです。
この内、早期に点検する必要性が高い踏切り、緊急対策踏切りは全国で2,100カ所ございます。
その内訳は、速効対策を要するものが約1300箇所、それから抜本対策を必要とするものが約1400箇所になります。
この内、重複するのが600箇所ございます。
速効対策は、踏切りの歩道拡幅と踏切り交通の円滑化、安全性向上を図る対策でございます。
また、抜本対策は、連続立体交差事業と、踏切り問題を抜本的に解消する対策でございます。
春日部市では、平成17年11月20日付けにて、緊急対策踏切り、速効対策の踏切りの依頼があり、東武伊勢崎線の11箇所の開かずの踏切りのうち、せんげん台駅から緑町6丁目までの区間で9箇所ございます。
このうち、事業計画のある2箇所を除くと7箇所、この踏切りでございますが、まず、第135号踏切り、これはせんげん台駅近くの、新方川沿いにございます、自転車と歩行者のみ通行できる踏切りでございます。
それから第132号踏切りでございます。これは国道4号線から団地に入る広い道でございますが、戸田ブックの通りでございます。
それから、第109号踏切り、これは南部浄水場通りの踏切りでございます。パールの北側の踏切りでございます。
それから第111号踏み切り、これは東急団地及び生協通りの自転車と歩行者のみ通行できる踏み切りでございます。
それから第112号踏み切り、これは市民センター南側で、やはり自転車と歩行者のみ通行できる踏み切りでございます。
それから第115号踏み切り、これは先程、エレベーターの関係で議員ご指摘の一ノ割駅直近の踏切りでございます。
それから第116号踏切り、これはもう一つ北側の春日部厚生病院側の踏切りでございます。
について、速効対策踏み切りとして、必要性があることを国土交通省に回答しております。
これらの速効対策踏切りにつきましは、その整備に多くの費用や時間が掛かること、それから前後の道路の幅員の関係、あるいは踏切り道改良促進法第3条の指定基準と、様々な問題を解決しながら取り組んでまいりたいと考えております。
■2回目の質問
ただいまの部長の答弁をお聞きする限りでは、春日部市は速効対策として7箇所の踏切を申し出たということでございました。
で、その結果ですけれども、3月までに点検を行い、3月までに、国交省は抽出・確定の作業をする、ということにでしたけれども、その確定の作業が済んでいるのかどうかは、お答えがなかったかと思います。
ですから、これは国交省の判断なのか、春日部市の判断なのか、ちょっと部長の答弁、判断しかねたのですが、速効対策をするとしても、巨額な費用がかかると、それから、踏み切りに通じる道路の問題とか、さまざまな問題をまず解決しなければいけない、というご答弁でしたけれども、そうすると、国が速効対策は、2ヵ年で取り組むんだと、もちろん全部ではありませんけれども…。
それから、先ほど申し上げました、立体交差、高架事業によって、これもボトルネック踏切を半減するというふうに、国は明言しているわけです。
これが、春日部にある踏み切りが対象にならないということを、国が国交省が判断したのかどうか、ということがちょっとつかみかねるんですね。
で、先ほどの部長答弁でも、速効対策でも、巨額な費用がかかるんだ、ということでした。
先ほどの、県が道路をアンダーにするという事業を行う107号踏切、これも結構、アンダーにするだけで巨額な費用がかかって、しかもこれから用地買収等あるわけですから、かなりの年数がかかると思われるんですよね。
そうすると、こういう開かずの踏切の現状を考えれば考えるほど、もうこれは、北越谷からの連続立体交差事業を延伸することが、最も有効であり、かつ、多分、個々の踏切を速効対策でやっていくことの年月と経費、これと、北越谷から延伸していくことの経費と年月を考えていったら、どっちがどっちなんだろうと、今、私は、検討が必要な時期になっているのではないかと思います。
で、3月議会の答弁ですが、北越谷から今の春日部の連続立体交差事業の予定されているところまでは10キロ以上あるので、とてもいっぺんにやることは無理だという部長答弁をいただいていますけれども、春日部駅周辺だけ1.9キロをいっぺんぽこんとあげて、10年たちました。そのあとまた、北越谷から延伸する、となると、一度工事したものをやり直すという手間がありますよね。
それからその間、開かずの踏切対策として、もし速効対策を一つずつ、順次進めていったとすると、そこもまた、速効対策をしました、そのあと高架にします、と二度手間になるわけですよね。
これは、北越谷からの連続立体交差事業が中止になった段階と、私は国交省の考えが、ここで方向転換していると思うんです。
開かずの踏切対策・ボトルネックの踏切対策、抜本対策を、5年間でとって半減させる、ということを昨年打ち出しているわけですから、これは国交省のほうが方針を変更したと受け取っていいはずだと思います。
それから併せて、春日部の駅の立体交差事業というのは、これで解消される開かずの踏切というのは2ヵ所ですよね。とすると、この春日部駅周辺、1.9キロの連続立体交差事業というのは、開かずの踏切対策というよりは、むしろ鉄道の連続立体交差事業における市街地の活性化、という目的の方が大きいのではないかと思います。
だとしますと、せっかく今、国土交通省が開かずの踏切対策として、平成22年度までの5ヵ年計画を立てているのでしたら、春日部市としても是非、北越谷駅からの延伸がストップした段階と事情が違うということで、再度、国土交通省の方に交渉、もしくは折衝を是非していただきたいと思います。
で、この問題について、二つ伺います。
まず、この点について、踏切点検のあと、連続立体交差の意向については交渉しているのかどうか伺います。
2点目は市長に伺います。
今年度から、「総合振興計画」が策定されることになっています。
また一方で、昨年10月の合併後から、地域審議会が設けられ、合併後のまちづくりの協議が進められています。
こうした中で、市民の皆さんからは合併特例債の使い道が優先されてしまい、それ以外の事業が後回しになってしまうのではないか、という不安の声も少なくありません。
先ほども申しましたように、この開かずの踏切が集中している武里地区というのは、春日部市の人口の三分の一近くが住んでいるわけです。
この武里地区の住民の皆さんの安全、あるいは生活の快適さの確保という点から、開かずの踏切を解消するということは、大変重要な問題であるというふうに市長も認識されている、という市長の答弁も頂いております。
この開かずの踏切の問題について、是非とも総合振興計画の中に位置づけていただきたいと思いますけれども、その点についてはいかがお考えでしょうか。
●角田建設部長の答弁
開かずの踏切りについて、建設部といたしましては、速効対策踏切について、答弁させていただきます。
先ほどもご説明申し上げましたが、国土交通省では、踏切交通実態総点検を実施し、この調査を元に、緊急に対策の必要な踏切りを抽出し、確定することとしています。
緊急に対策が必要な踏切りについては速効対策踏切りとして、
・一つとしては開かずの踏切り
・二つ目としましては自動車交通の著しい踏切り
・三つ目としては、歩行者交通が著しい踏切り
・四つ目としては、歩道が狭隘になっている踏切り
等が上げられる中で、特に開かずの踏切りと歩道が狭隘になっている踏切りを対象として、道路管理者及び鉄道事業者に対して、各地域の実情に応じた速効対策及び抜本対策による今後五カ年の整備計画を策定することとし、踏切交通実態総点検のデータ等を元に、本年3月までに、緊急対策踏切りの抽出及び確定をする予定と聞いておりましたが、なかなか回答がなかったわけでございます。
そんな中では我々の方から直接国土交通省に問い合わせたところ、あまりにも膨大なデータのため、国土交通省におきましては、現在取りまとめ中だという回答をいただいたところでございます。
春日部市においては、東武伊勢崎線のせんげん台駅から緑町6丁目までの区間において、開かずの踏切りが9箇所ありますが、事業計画のある2箇所を除くと7箇所になります。
このため、緊急対策の必要な踏切り、速効対策として判断され、採択された場合には、補助金との交付が予定されているところでありますので、地域の実情に応じた課題や諸条件を解決し、事業化に取り組んで参りたいと考えております。
●福島鉄道高架担当部長の答弁
北越谷以北の連続立体交差事業について、お答えします。
踏切り対策の抜本対策としては、議員ご指摘の通り、連続立体交差事業が大変有効な事業でございますけれども、春日部市といたしましても、当初東武伊勢崎線の複々線化事業に併せて北春日部駅までの連続立体交差化をはかっておりましたけれども、その前提となります、運輸政策審議会で複々線化の実現がなされなかったことから、北越谷駅以北については、現在の複線で高架化をはからなければならなくなったものでございます。
それではどこから始めるか、ということなんですけれども、現在はその必要性が最も高い、というところで、春日部駅付近で、現在連続立体交差化事業を進めているところでございます。
従いまして、国に対しましても、まずは春日部駅付近の連続立体交差化事業の方を要望を進めているところでございます。
●石川市長の答弁
鉄道交通に関する諸問題のうち、とくに危険な踏切り対策についてのご質問でございます。
特に危険な踏切り対策のうち、バリアフリーに対するまちづくりについてでありますが、特に、踏切り道においては、抜本対策として、春日部駅周辺連続立体事業を重点的に推進し、誰もが安心して鉄道を横断できるよう取り組んで参りたいと考えております。
また、交通安全を推進するため、武里地区におきましても、速効対策として、補助事業の活用や法的な規制を解決しながら、できるものから取り組んで参りたいと考えております。
また、新市総合振興計画の位置づけにつきましては、旧春日部市の第4次総合振興計画にもバリアフリー化等を位置づけし、推進してきたところでございます。
新市におきましても、ユニバーサルデザインの普及・推進をはかるため、新市総合振興計画に位置づけるよう、努めて参りたいと考えております。
■3回目・要望
残り時間が3分になりましたので、要望させていただきます。
最後の市長の答弁ですが、バリアフリーという観点でお答えをいただいてしまったように思います。
それから、先ほどの福島部長の答弁でも「必要性が高いのは春日部駅周辺の立体交差事業なのだ」と。
市長もそのような観点でお話いただいています。
私はこれは都市計画における、市役所の皆さんの考えの硬直性を表しているんではないかと思うんですね。
春日部駅周辺、確かに連続立体交差することによって、東西、車などが自由に行き来できるようになり、まちのにぎわいをつくるのには役立つかもしれませんけれども、開かずの踏切り解消といった、生活の利便性からいくと、どちらの連続立体交差事業が必要性が高いのかということは、私は一目瞭然ではないかと思います。
ですから、春日部駅の連続立体化事業、せっかく採択になったということで、水を差すようなことがないように、是非、「開かずの踏切り対策」として、速効対策をしても、あとで抜本対策をしなければならないのであれば、抜本対策をするために、速効対策を一つずつやっていくのと、費用の点、期間の点、先ほど福島部長が言われたように、複線で抜本対策をするのがどちらが有効であるのか、きちんと検討を進めていただきたい、総合振興計画の中で検討していただきたいということを要望させていただきます。
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