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●2007年3月議会一般質問
ーその1ー地域防災計画について

★ 1回目の質問

 昨年夏、「災害対策基本法」に基づき、中央防災会議が、国の防災対策の上位計画である「防災基本計画」をまとめました。
 市町村はそれに従って、18年度中に「地域防災計画」を策定することが義務付けられました。
 春日部市でもこのたび「計画案」をまとめ、現在、県に提出されている段階とのことです。そこで、この計画について、大きく3点伺います。

「地域防災計画」については、自然災害から大規模火災、鉄道災害、原子力災害など、対象となる災害が多岐にわたりますが、今回の計画は、阪神・淡路大震災の後に再び大きな被害に見舞われた新潟県中越地震の経験や、相次いで起こっている風水害の被害を踏まえて、震災対策・風水害対策の見直しが求められていると考えます。
 春日部市においても、「地震ハザードマップ」、「洪水ハザードマップ」を元に、被害想定を行い、その対策を盛り込んでいるものと思われます。

 そこで今回は、特に市民の皆さんが不安を感じ、大きな関心を寄せている、この二つの災害のうち、「地震災害」を中心に伺いたいと思っております。

1 まず、その前提として、この「地域防災計画」全体について、伺います。

 過去の大きな災害の経験から、災害時の初期の人命救助やときには初期消火などは、地域住民が担う割合が非常に高いことが分かって参りました。

 そこで、近年、防災は地域住民との協働が不可欠、という観点から、計画策定する段階から住民参加で進めることが、いざ、というときに実効性のある、地域住民が協力のできる計画となる、と言われています。

 また、市という単位ではなく、住んでいる「地域」で防災について考えることが、地域コミュニティが強化されることにもつながるとされています。
 いわば「地域防災計画」というのは、地域コミュニティを増進するための、非常にすぐれたツールであると言われています。

 今回の春日部市の「地域防災計画」は、旧春日部市と旧庄和町でまとめた「防災計画」の統合・改正、という位置づけからか、この計画策定のための「防災会議」も一度しか開かれていないようですし、また住民参加で進めることもなかったようです。

 そこで、この防災計画を、いざというときに実効性のあるものにするために、つまり、地域の防災力を高めるために、どのように今後市民と共有できるものとするのか、具体的な取り組みについて、お伺いいたします。

2 地震ハザードマップを元にした、地震災害対策について伺います。

 大地震が発生したとき、被害を最小に食い止めるためには、まず、建物の倒壊や家具等の転倒を防ぐことが第一であるとされています。
 市町村には、この民間の家屋等の耐震化を進める等の施策も求められていますけれども、この点について、新しくまとめられた計画の中には、どのように盛り込まれているのでしょうか。

 春日部市の場合、阪神淡路大震災の直後には、大きな活断層の存在が認められないことから、関東・東海で大地震が起こっても、さほど大きな被害が想定されないのではないか、というふうに考えられていましたが、その後、関東平野の下に存在するプレートの存在や、あるいは軟弱地盤であることなどから、大きな長周期震動が起こりやすいこと、その際建物の柱や壁の破損が起こる危険性があることなどが指摘されています。

 このように、表層地盤の揺れやすさ、という埼玉県の地図でも、春日部市はほぼ真っ赤、揺れやすい地域と指定されています。
 今後、建物の耐震補強が急務と思われます。

 これについては、地元の工務店等と協働で、家屋等の耐震化に取り組むことが非常に有効性であるとして、取り組んでいる自治体もあります。
 震災直後には、工務店や建築業の方が、人命救助には非常に大きな力も発揮して下さっています。このように災害後の対策も含め、今後行政と民間事業者が連携・協力して防災計画を進めていくことが大切だと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

3 最後に、災害が起こったときに援助が必要になる「災害時要援護者」の対策について伺います。

 今回の防災計画については、福祉関係者が関与していないようですが、最近は、「要援護者」の救助や避難等の際には、福祉関係者が関わることが不可欠であることから、防災計画を策定する段階で、福祉関係者を含めて進めることが大切だとされています。

 とくに、近年「個人情報の保護」という観点から、災害時要援護者となる方の情報が、防災という観点から掌握しにくい傾向がありますが、「個人情報の保護は個人の幸せを守るためのものである」という観点から、個人の生命や健康を守る観点からの個人情報の共有は必要である、という見解が示されていま。

 そのため、あらかじめ「個人情報保護審議会」の了承を得て、福祉関係部局が掌握している高齢者世帯や障害を持つ方の情報といったものを、防災関係部局と共有すし、それを地域の防災ネットワーク等で共有している自治体もあります。

 そのような観点も含め、今後どのように「災害時要援護者対策」を進めていくのか、お伺いいたします。

★小林秘書室部長の答弁

 今回の「地域防災計画」の改定は、新潟・福井の集中豪雨、あるいは新潟県中越地震などの過去の災害を教訓にいたしまして、新市における過去の「防災計画」の改定を、現在進めているところです。

 計画を市民と共有することにつきましては、市の広報紙、あるいは市のホームページへの掲載、また公民館などの公共施設への配布をするとともに、自治会や自主防災組織への通知、あるいは自主防災訓練等の中で、個々説明して参りたいと考えております。

 また、今後の具体的な取り組みといたしましては、市民自主防災組織の果たす役割として、平常時び発災時に実施すべき事項や、市民の協力による防災対策などについて定めているところです。

 今後、地域における活動マニュアルなどを作成してまいりたいと考えているところです。

 次に「地震ハザードマップ」による震災対策につきましては、「地域防災計画」の中では、地震による被害を軽減するために、一般建築物に対する耐震化対策といたしまして、耐震診断及び耐震改修時の啓発や耐震性向上の促進について、市民への周知を定めさせていただいています。

 次に、地元の建築業者との連携につきましては、県と「埼玉県とび土木工業会」との間で、災害時における応急対策活動に関する協定を締結しており、災害発生直後から、会員が自らの建築資機材を使用して、人命救助等の活動を行なっていただくというものです。
 この協定に基きまして、市も「とび土木工業会」と連携・協力関係を築いて参りたいと考えております。

 次に、「災害時要援護者」対策につきましては、今回の「地域防災計画」の改訂では、高齢者や障害者などの災害時要援護者の対策と致しまして、所在などの状況把握、避難情報の伝達体制や「災害時要援護者」に配慮した避難場所運営マニュアルの整備、仮設住宅への優先的入居などについて定めているところです。
 とくに安否確認や避難誘導などを定める「災害時要援護者避難支援プラン」と、二次避難となる福祉避難場所の指定については、新たに定めているものです。

 また、「災害時要援護者」に関する情報を、地域と共有することにつきましては、災害時においては、自主防災組織や地域住民による協力と連携が必要になってまいります。
「地域防災計画」では、「災害時要援護者」の住所、緊急連絡先、家族構成、日常生活の自立度などの情報を把握し、個人情報の保護に配慮しつつ、民生委員さんや福祉事務所などと情報の共有による連携を定めているところです。

 現在、地域との情報の共有といたしましては、地域における高齢者や障害者の安否確認や避難誘導を行なっていただくため、「災害時要援護者支援制度」として導入に向けて、今現在取り組んでおります。

 導入の課題としては、個人情報保護の観点から、必ず事前に本人や家族の同意を得た中で行なうことが前提となります。
 その上で、支援する側の問題として、情報を提供された地域の方々が、「災害時要援護者」の個人情報を、どこまでお守りいただくか、守っていただけるか、あるいは、状況把握に本人や家族の同意が得られなかった場合、「災害時要援護者」をどう守っていくかが問題になってくるものと思われます。

 今後、こうした諸課題を解決していくために、市の関係部署や民生委員さん、あるいは自治会や自主防災組織等の代表者などで組織する検討委員会を設置して、個人情報保護法の関連も含めて協議が必要と考えているところです。

 まず、今申し上げました課題の整理を中心に、平成19年度中にはこの検討委員会の設置に向けて準備を進めて参りたいと考えているところです。

★2回目の質問

 一つ目の市民の皆さんとこの「地域防災計画」を共有していく、という点につきましては、今後、広報とかホームページでお知らせするだけでなく、自治会や自主防災組織等を通じて、というご答弁がありました。
 また、「活動マニュアル」などもつくって、それを示していく、ということですが、問題は、自主防災組織ができていないところ、あるいは、組織はあるんだけれども、地域全体の取り組みになっていない、という地域のコミュニティの薄いといいますか、そういう地域、また新しく移り住んだ人たちがたくさんいるようなところでまだ地域コミュニティが不十分なところ、そういうところへどのように浸透させていくのか、ということが課題であろうかと思いますので、是非、平常時・発災時の対策をまとめたマニュアルができた段階で、防災というのは皆さん非常に関心を持ちやすいものですから、これを契機に、地域コミュニティがまだまとまっていないところに対して働きかけていく、という活動もやっていただきたいと思います。

 それから、これは板橋区の事例なんですけれども、板橋区では全部の中学の3年生を対象に、高校の入試が終わってから卒業するまでの間に、救急救命講習を行っているということなんです。
 で、春日部市の場合これを実行するとしたら、今年は中学3年の卒業生2,222人いらっしゃるということで、2,000人前後毎年いらっしゃるとしたら、こういう方が救急救命講習を受けたら、5年間で1万人になります。     10年間では2万人、その際、防災についても一緒に講習をしていただくと、これを積み重ねていくことによって、いざというときに力になる若い方、ずいぶんパワーアップしてくると思います。そういう試みも参考にしていただきたい。

 で、この救急救命講習を中3の方に受けていただくことによって、自分たちが地域に役立てることがあるんだ、という意識を強くもっていただいて、地域への関心も高まる、という一石二鳥の効果があるというふうに聞いています。
 ぜひ、今までの、旧来の手法だけではない、いろんな自治体の例も参考にしていただきたいと思います。

 それから、民間の事業者さんとの協力体制ですが、確かに土木工業会などとの協定を結んでいるということですが、大規模な災害が起こったとき、大型の重機類が入れなかったりするときは、頼りになるのは町の小さな工務店さんたちのもっている道具とかノウハウというのが力になると思いますので、ぜひ、春日部市レベルでは、工務店の皆さんと一緒に防災対策をやっていただければと思います。

 それから耐震補強工事についてはご説明がなかったのですが、確か市は、1年に1回、無料の耐震診断を行っていて、その際、耐震補強については県の補助制度を紹介していると伺っています。

 市単独の補助制度というのは、それよりはまず、学校をはじめとする公共施設の耐震化が先、という気もありますので、ただ、今ちょっと下火になっているようですが、一頃、お年寄りを狙いうちするかのようなリフォーム詐欺もありました。
 このような被害からお年寄りを守るためにも、耐震補強の補助制度が強化されることが、今、必要だと思っています。

 できれば、お年寄りの方々とかそういうところには、市の補助制度が無理なのであれば、金融機関の協力を得て融資制度を設けるなり、また、高額な耐震補強というのはなかなか難しいものがありますので、私が12月議会で紹介いたしましたSRF工法のような柱・壁補強のようなものも対象になるように、これは国・県に、これはいざというときのセイフティネットとして、先ほど申しましたように、長周期の振動の際には柱と壁に被害が及ぶということから、柱と壁の補強をまず最初にやる、ということで、これに対する補助制度を、県・国に働きかけていただきたいと思います。
 
 「災害時用援護者」対策については、取り組んでいただけるということで、これに対しては、検討委員会の充実、お願いしたいと思います。

★小林秘書室部長の2回目の答弁
 
 地域防災について、自主防災組織が地域のコミュニティの中核になるのではないか、というようなご質問でございます。

 現在、市内には195の自治会がありまして、180の自治会で防災会を設立いたしまして、防災意識の高揚もはかっていただいているところです。
 ただ、15の自治会が未組織の状況でございます。これらの自治会に対しましては、防災に関する講演・研修会の開催等についてご案内させていただいたり、あるいは、私どもの職員が直接出向きまして、組織化についてお願いしている状況です。
 これによりまして、本年18年度には3自治会が新たに自主防災組織の設立をさせていただいたところです。
 
 今後も引き続き努力させていただいて、全地域に自主防災会が設立できますように我々もがんばってまいりたいと考えております。

 併せて板橋区で中学3年生を対象に、というお話もありました。これらにつきましては、私どもも参考にさせていただければ、と考えているところでごいざいます。
 
 また、地元建築業者さんとの連携ということですが、先ほど答弁させていただきましたように、県でも連携をとっております。それらを受けて、市といたしましても中小の建築業者の方々とも連携を築いていきたいと考えております。

 もう1点、住宅等の耐震の補助、ということです。これは今、県が作成しております耐震改修の促進計画、これらを踏まえました中で県に要望させていただきたいと考えております。
 
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