●「母さんの視点」過去ログ
●議会&市政
●自伝風の長めの自己紹介
●活動日誌
●風のたより(片山いく子の議会報告)
●議事録・発言集
●メールフォーム
●リンク

トップ>>>議事録・発言集>>>このページ

春日部市保育所条例の一部改正について
春日部市子育て支援センター条例の一部改正について
(2008年6月3日)

1回目の質疑

 この2議案とも、条例の一部改正となっています。
 確かに、条例の条文こそ一部かも知れませんが、私はこの改正は保育所、あるいは子育て支援センターといった、春日部市の子育て行政に関する大きな方向転換であると考えざるを得ないと考えていることを、まず申し上げておきます。

 まず、54号について、3点について、先ほどの卯月議員の質疑・答弁を踏まえて質疑させていただきます。

 まず、第8条です。

「市長は保育所の設置の目的を効果的に達成するため、(中略)市長が指定するものに保育所の管理を行なわせることができる」
 ここですが、何をもって、あるいはどんな点が、市が直接保育所を運営するよりも効果的に設置の目的が達成できると考えているのか、指定管理にした場合に効果的になるというその点についてどのように考えているのか、お答えいただきたいと思います。

 次に第9条です。

 9条は指定の管理に関する手続きを定めたものですけれども、指定に当たっては多分選定委員会を設けると思います。

 その際事業計画書を提出することになっています。
 その事業計画書ですけれども、具体的にどのようなものになるのかお答えいただきたいと思います。

 これは第12条の指定管理者の業務に関わってくることだと思いますけれども、他の公立保育所と同様の保育時間や保育士の配置、年齢ごとの保育内容、これはカリキュラムですね、それから給食など、現在の保育所の保育内容と齟齬を来さないものになるのかどうか、保育内容の低下、後退につながらないようにするために、どのような観点に絞ってこの事業計画書をチェックし、評価するとお考えなのかお答えください。

 それから第3点です。

 これは9条2項の、
「事業計画の内容が(中略)、管理経費の縮減が図られるものであること」
 とされています。
 先ほどの卯月議員の質疑の中で、この縮減は主に保育士さんの人件費であると、現在の民間保育所の保育士さんの給料と、公立の保育所の保育士さんの給料を比べた場合に、1園で年間、およそ3000万円の経費の縮減が期待できるだろうと、先ほど説明がありました。

 この点ですけれども、確かに公立の保育所の場合、保育士さんの平均年齢が40歳、経験が18〜19年、ベテランの保育士さんが多いと。
 一方、民間の方は平均年齢が27.5歳であり、保育士としての経験が7〜8年であると。
 これは1園だけだったと聞きました。春日部市内全体をとってみるとどの程度になるのかというのは、先ほどの答弁では分かりませんけれども、民間の保育所・保育園というのは、公立よりも保育士としての勤続年数が短くなり、さらにこれは初任給などもちがいますから、勤続年数だけでは比較できないと思いますが、給料も平均すると安いということは事実だろうと思います。

 しかしやはり、春日部の保育行政というのは、保育内容ももちろん、先ほど保育士さんの配置についても、年齢によっては厚生労働省の配置基準以上の、春日部基準というもので加配しているところとか、時間外保育であるとか、保育内容については高い評価を得ているのと同時に、私自身も春日部市は保育所がいい、ということで移り住んできた一人なんですが、そのときに、保育内容もそうなんですけれども、それまで「福祉の東京」と言われた東京の杉並区の公立保育園に子どもを預けていたんですが、春日部に移って一番安心できたのは、ベテランの保育士さんが多かったことなんです。
 やっぱり子どもを育てる、人が人を育てる、という仕事ですから、経験年数というのは、私は非常に大きな要素の一つになるだろうと思っています。
 元気で体力のある若い保育士さんも当然必要でしょうけれども、ベテランの保育士さんと、先ほど部長はバランスのよい配置とおっしゃっておられましたけれども、この指定管理者制度を導入することによって、保育内容のよさというものが引き続き担保できるのかどうか、私は非常に不安に思っています。

 他市の保育所を指定管理者にした例を見ますと、圧倒的に年齢が低くなっているんですね。
 平均年齢が25歳、24歳というところになりますと、保育経験がゼロ、という、新規採用の保育士さんが半数以上を占めるというのが示されています。29歳でも半数くらいですね。平均年齢が30歳代になってはじめて、経験が10年以上という数が見えてきます。

 こういう現実をみますと、やはり指定管理者に委ねる、今、春日部の市内で認可保育園をやっている、実績のある保育所に指定管理を任せたところで、その保育所は新たに春日部市の保育所を運営をすることにあたって、もう一園もつことになるわけですから、新規採用しなければならなくなるわけです。
 そうすると、自ずと新規採用する保育士さんの年齢を考えた場合、そんなに都合良くベテランも年齢構成もバランスよく保育士さんの配置ができるのか、私は他市の例をみても疑問だと思います。

 で、先ほどの事業計画にも関係しますが、果たして事前に保育士の年齢構成、経験などもバランスよく配置できるものになるかどうか。
 事前に、指定管理者を選定するにあたってチェックできるかどうか、ここが大きな分かれ目になってくると思いますが、その点をどう考えているのか、お答えいただきたいと思います。

 続いて、第55号、春日部市子育て支援センター条例の一部改正について、これは、春日部市にある、公立でやっている唯一の子育て支援センターです。

 これから春日部市では子育て支援センターを何カ所か増やしていく、という計画になっています。
 そのトップバッターとして、私はこの子育て支援センターというのは、子育て支援施策の中の大事な柱になると思っています。

 その大事な子育て支援センター、指定管理者に委ねてしまうというのは、いかがなものでしょうか。

 「子育て日本一」ということを掲げている春日部市の子育て行政の中心となるものは、やはり直営で行なうべきではないかと考えますが、その点についてはいかがでしょうか。

☆ 米山福祉健康部長の1回目の答弁

 まず、議案第54号についてお答えします。

 8条の考え方についてですが、これは指定管理者による管理ということで、指定管理者制度を導入する公の施設の指定手続きに関する基本的な事項を定めたものです。
 すべての公の施設に共通する通則的な事項を定め、細かい事項については施設の性格によって管理の基準や業務の範囲が異なるので、各施設の設置条例の中で対応していくものと定めております。

  従いまして、その保育所の目的については、指定管理者を導入することによって、細かなものを定めながら、その目的に向かって進められていくものととらえております。

 それから業者の選定についてですが、今考えておりますのは、指定に当たって審査事項について、今後募集要項を作成する中で定めてまいりますが、他市の募集要項を参考にいたしますと、審査事項は第一次審査の書類審査、それから一番大切なのは、第二次審査、これはプレゼンテーションということです。

 内容としては、
・ 利用者の平等な利用がはかられる内容となっているか
・ 施設の効用を最大限に発揮させるものであるか
・ 衛生管理のための適切な方策が講じられているか
・ 給食の提供にあたり栄養管理や食材の選択のための適切な方策が講じられているか
・ 医療機関等の連携も含めて、児童の健康管理のための適切な方策が講じられているか

 等々、細かくチェック項目が検討されているところでして、当市といたしましても、これらを参考にプレゼンテーション、あるいは第一次審査に関しまして、相談させていただきながら作成して参りたいと考えております。

 それから保育の内容についてですが、保育内容については私としては、悪くなっていくことは考えておりません。

 春日部市の公立保育所の歴史は長く、そこから培われてきた保育資源は、春日部市の民間保育園の保育サービスの水準の向上にも大きな役割を果たしてきたところです。
 基本的には公立保育所が実施してきた保育内容については、継承していきたいと考えております。

 たとえば、園外保育、運動会、年間行事や基本的な保育内容、地域交流会や子育て相談などについても継承していきたいと考えております。

 その上で民間の創意工夫によって、よりよい保育サービスの提供を期待するものです。
 具体的には、休日保育や延長保育等々を、そのニーズによってサービスの向上がはかれればというふうに思っています。

 公立保育所の保育内容を継承発展できるように、また、保護者に不安や心配のない保育が実施できるように募集要項に定めてまいります。

 指定管理者が選定された際には、協定書にその内容を盛り込み、継続的にモニタリングするなど、保育内容が守られているかなどを確認してまいりたいというふうに考えております。
 現在の事業及び人員配置を継承していきたいと考えております。決して後退することはないと、考えております。

  また、大変ご心配をいただいておりますが、新たな指定管理者を導入するにあたって、若い方が配置されるのではないか、というご指摘ですが、私どもとしてはそのようにならないように、バランスのとれた募集要項を作成して、チェックをしてまいりたいと考えております。

 私どもとしては、保育の継続継承ということが最大限の目標でございますので、そのへんについて、やはりベテランの配置、あるいは中間職の配置、あるいは若い方の配置、このバランスのとれた配置をめざして、指定管理者の導入をはかっていきたいと考えております。

  議案第55号、庄和子育て支援センター条例の一部改正について、お答えします。

 庄和子育て支援センターは、春日部市の公立の子育て支援センターとして、現在、唯一の施設です。
 子育て親子の交流の場の提供と交流の促進、子育て等に関する相談・援助の実施、地域の子育て関連情報の提供、子育て及び子育て支援に関する講習等の事業を実施し、子育て支援の拠点施設として役割を果たしているところです。

 また、公立のほかに、民間の保育園2カ所に子育て支援センターが設置され、同様の事業が実施されているところです。

  今回、庄和子育て支援センターの指定管理者制度の導入にあたりましては、保育所との併設施設ということで、より効果的・効率的な管理・運営をはかるために、保育所と併せて指定管理者制度を導入するものです。

  県内の他市の例をみましても、子育て支援センターで指定管理者制度を導入しているところでは、川口市と富士見市2カ所で、そのいずれも保育所と併設か、保育所内にある施設です。

 市内においても、民間保育園が設置している子育て支援センターにおいても、子育て支援のための専任の職員を配置し、相談や子育ての支援に関する事業を実施できていることから、指定管理者となっても、子育て支援の基本的な事業については実施できるものと考えております。

  また、庄和子育て支援センターでは、これまでにも外部の講師を招いたり、保健所と連携するなどして事業を実施しております。
 春日部市では子育て支援についての経験豊富な保育士や家庭児童相談員4名などがおり、専門的に子育てに関する幅広い相談に対応できております。
 指定管理者に移行した場合においても、庄和子育て支援センターで行なわれる事業などに出向いて、専門的に相談に応じることはできるものと考えております。

 春日部市が持っている子育て支援のノウハウを、今後も生かしていくために、事業の実施にあたっては指定管理者とよく対応して参りたいと考えております。

次へ>>>トップへ>>>議事録・発言集>>>このページ