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一般質問・その7

成年後見制度について

【1回目の質問】

 成年後見制度は、平成10年12月に公表されました「社会福祉基礎構造改革」によって生まれました制度です。

 従来、社会的弱者を保護し、救済するという理念で進められてきました福祉制度を、この「社会福祉基礎構造改革」では大きく改革し、当事者の意思を尊重し、それまで行政が「措置する」としていた福祉サービスを、本人の意思によって「契約にする」ものとするとしました。

 その理念のもとにスタートしましたのが、まず介護保険制度であり、一方契約時に当たって当事者の意思の尊重という観点から、自己決定権の保障、権利擁護、ノーマライゼーションといったものを実現するための制度として生まれたのが成年後見制度と伺っています。
 したがって、成年後見制度は高齢化社会を支える福祉制度として、介護保険制度と車の両輪と言われております。  

 その後、障害者自立支援法が制定される際にも、障害を持つ方が福祉サービスを受ける場合も契約が基本となることから、ここでも成年後見制度、車の両輪となっております。

 つまり介護保険制度や障害者自立支援法によるさまざまなサービスを受けようとするとき、認知症や障害ゆえに判断能力が欠けている人が契約する際、本人の意思を十分に尊重し、地域の中でその人らしい生活を持続するためのサービスを選択して契約する、その役割を果たす後見人の存在がとても重要になってくるわけです。

 このように現在必要不可欠な存在になっている成年後見制度ですけれども、実際にはまだ移行期間として親族の方等の代理人の契約が認められているため、まだまだ多くの人にとってその必要性が切実になっていないのが現状です。 

 しかしながら、平成24年からは契約の際、代理人が認められなくなると伺っております。
 本人もしくは後見人が契約しなければならなくなります。今後3年の間に、行政としてもこの制度が普及し、必要とするすべての人が利用できるようにしなければならないわけです。

 そこで、まず成年後見制度の1点目として、これまで春日部市としては成年後見制度について、どのように市民の皆様の理解を深めるために周知に努めてきたでしょうか。
 また、成年後見制度を利用しなければならない人たちを支えている地域包括支援センターや介護事業所、民生委員さんなどに対してどのような取り組みを求め、支援してきたでしょうか、それについてお伺いいたします。

 2点目になります。成年後見制度はかなり複雑になります。
 短時間でこの成年制度の全容に触れるのは極めて困難なため、今回は質問を絞って、早急に自治体として取り組まなければいけない、取り組んでいただきたいという点に絞って質問したいと思っております。

 私は、今まで近隣の自治体の議員や市民の皆さん、あるいは関係者の皆様と一緒に「地域の成年後見制度を進める会」という会の中で、この制度についての勉強会を重ねてまいりました。あるいは、先進的な自治体の事例に学んだりしてきました。
 その中で、成年後見制度の問題点もいろいろ明確になってまいりました。

 まず、大きく上げられますのは、利用者にとって金銭的にも手続上もかなり負担感が大きいということです。

 また、不動産の資産や金融資産など財産管理あるいは日常的な身体看護など、後見人の業務が多岐にわたっていて多様な人材が求められているのにもかかわらず、まだまだその人材が不足している等の問題点です。

 このような課題や問題点を解決していくためには、単に成年後見制度にとどまらない重層的な支援ネットワークの形成が、今求められているというのが実感でございます。

 本来であれば、介護保険制度あるいは障害者自立支援法の中に組み込まれていれば、もっと使いやすい制度になっていただろうと思われます。

 しかしながら、この制度、財産の管理や契約といった内容を含んでいますために、民法に規定されている禁治産者あるいは準禁治産者に対するものと置きかえられてしまって法務省の管轄になってしまったことから、この制度が非常に使いにくいものになっているということが現実だろうと思います。

 そこで、今こそ行政の側が市民の視点に立って、介護保険制度や障害者自立支援法による各種事業とリンクさせて、本当に使い勝手のよいものにしていくことが求められていると思います。

 そのために行政が主導権を握って、地域の総合的サービス支援体制の拠点として、ぜひとも民間との協力で公的成年後見センターを設置すること、これを求めたいというふうに思っております。

 今後この成年後見センターの整備も含め、制度を必要としているすべての人ができるようにするために、どのような体制を整えていくお考えなのか、2点目はその点についてお伺いいたします。

★米山慶一福祉健康部長の答弁

 まず、成年後見制度の周知や取り組みにつきましては、成年後見制度についてのパンフレットなどを関係窓口に設置、市で運営しているふれあい大学におきまして多くの方が受講できるよう、一般公開講座として広報等による参加者の募集、それから市の委託で障害相談支援事業所において、権利擁護のための情報提供や相談業務ができるよう窓口の拡充など、制度の周知に努めてきたところでございます。

 また、現状では将来のために、事前に成年後見制度の活用を検討するという状況ではなく、ご本人に問題が生じた後に活用が検討されることが多いため、相談業務の中でご本人やご家族等に詳細な説明をしていくことが大切であると考えているところでございます。

 このため、高齢者や障害者のケースワーカーが相談を受けるに当たって十分な説明を行うこと、また地域包括支援センターの担当者や介護支援専門員が十分な説明が行えるよう、研修会を実施してきたところでございます。

 次に、必要とする人が利用できるようにする体制につきましては、現状では利用者の金銭的な負担感、他の人に契約や財産管理を任せるということに抵抗感があること、ご本人が自分はまだ大丈夫と考える方が多いなどの理由で、十分な利用がされているとは言えない状況でございます。

 このため成年後見制度の一層の理解を深めるため、また従来の体制をより充実させていくため、市のケースワーカー、地域包括支援センターの担当者、介護支援専門員、介護事業者などと一層の連携を図っていく必要があると考えているところでございます。

 今後におきましては、情報交換会や共同研修会の実施など、さらなる体制の充実を進めてまいります。

 また、成年後見制度は裁判所の審判により後見人を決定する法定後見と、将来の後見人の候補者を本人があらかじめ選定しておく任意後見がございますが、今後の高齢社会の進展を考慮いたしますと、ひとり暮らしの高齢者や障害者の方が多くなることが見込まれるところでございます。

 こうした皆様に安心して生活をしていただくために、ご本人に何か問題が生じた時点で後見が始まる任意後見制度の活用を促進していくことが必要であると考えており、地域で接する機会が多い民生委員や地域包括支援センターなどを中心に、制度の理解を深めていくよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

 次に、成年後見制度における公的成年後見センターの設置につきましては、認知症や障害を持つ方を支援する仕組みとして、成年後見制度と同様に春日部市社会福祉協議会が実施している福祉サービス利用援助事業「安心サポートネット」がございます。

 成年後見制度が判断能力の低下や喪失を法的な側面から補う制度であるのに対して、この事業は判断能力が不十分で自分で福祉サービスの選択や決定が困難な人の、福祉サービスの利用や金銭管理など日常的な生活の援助を行うものであり、平成19年度におきましては123件のご利用がございました。

 この福祉サービス利用援助事業は、金銭管理や申請手続などの利用範囲が限定されていますが、まずはこの制度の利用から成年後見制度の利用につなげていくことが、円滑な制度の利用となると考えているところでございます。

 まずは、成年後見制度の周知や福祉サービス利用援助事業の活用などにより、成年後見制度の利用に向けた環境を醸成していくことで制度の定着を進めていきたいと考えているところでございます。

 こうした後、利用状況と市民の方の需要状況をかんがみながら、公的成年後見センターの設置につなげられればと考えております。

【2回目の質問】

 成年後見制度については、私も成年後見センター、公的なというふうに申し上げましたが、できましたら社会福祉協議会さんとか福祉公社、組織が改編されるということですので、その機会にぜひ今まで社会福祉協議会が持っていたノウハウ、福祉公社が持っていたノウハウを生かしつつ、そういう成年後見センター、公的なものを整備していく基盤をつくっていただきたいというふうに2回目でさせていただこうかと思っていましたが、部長のほうからそういうご答弁がありましたので、2回目は結構でございます。

 この任意後見制度というのを利用することによって、本当に高齢の方でも障害を持っている方でも、判断能力が失われても、それまでの住みなれた地域で、たくさんの方々に支えられて住んでいくことができる、そういう制度に、介護保険制度も障害者自立支援制度にしても、使いこなしていけるものになるのではないかというふうに私は思っておりますので、ぜひその方向で整備していただきたいと思います。これは要望で結構です。

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