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平成22年3月議会 本会議・反対討論

春日部市地域振興基金条例の制定について

 議案第1号春日部市地域振興基金条例の制定について、反対の立場から討論させていただきます。

 まず、この基金は、3年間で32億7000万円を積み立てるとのことですが、そのためにそのうちの9割5分、29億円以上を市債の借り入れに頼るという点は問題であると考えます。
 国が認めた制度であり、起債した分の元利償還の7割はのちに国が地方交付税に繰り入れる形で補うとしているから有利な借金である、としていますが、この点で、2つの疑問が残ります。

 まず、借受利息よりも預入利息が低い場合、というよりは常識的に借り入れた利息の方が高いわけで、その差額がマイナスになります。これはいわゆる税金の無駄使いになる、という点です。借金の返済分の7割は国が面倒をみてくれるから有利な借金といっても、春日部市民はまた、国民でもあります。市税の無駄づかいになると同じく、国税の無駄づかいにもなります。

 もう一つは、政府が地域主権を国つくりの柱にしようとしている現在、地方への税源移譲がどのような形になるか、また地方交付税はどうなるのか、その先行きは限りなく不透明です。3年据えおき15年償還という借金を3年間続けることは、今後17年間の償還期間が必要になるということで、有利な借金かどうかは大いに疑問です。

 大きく2点目ですが、この基金の活用は、償還分に限って可能であり、現在の試算では平成28年度で2億円程度が活用できるのではないか、とのことですが、6年後に毎年この2億円を活用するために、今から10億円もの借金をしなければならないのでしょうか。
 財政規模が600億円の春日部市で、毎年2億円の捻出も危ぶまれるかも知れないというのは、疑問です。

 今後3年間で、この基金のいわば頭金として計上する予定の1億円6000万円余り、この頭金の部分と、借入れたと仮定して毎年返済に充てる、元利償還分を基金として積み立てるとしたら、どうでしょう。
 財政的に極めて厳しい現状に直面している春日部市だからこそ、今こそこのような堅実な財政運営を図ることが、財政規律を守ることになるのではないでしょうか。

 最後に、この基金を活用した事業として、地域間のコミュニティの醸成に資する事業等があげられました。例示された事業は、現在自治会をはじめ、さまざまな市民団体が、自主的な活動として行っているものの延長線上にあると考えられます。
 財政が厳しい今だからこそ、春日部市の財政状況を明らかにして、市民に理解と協力を求め、地域間のコミュニティ醸成をはかる事業を拡大することこそ必要であり、そういった努力をすれば、多額の基金を積み立てることも不用ではないでしょうか。また、それこそが市民との協働の本質であると考えます。

 以上の理由から、基金を積み立てるために借金をすることにつながる本条例の制定には反対いたします。
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