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平成22年3月議会 本会議・反対討論2

平成22年度春日部市一般会計予算について

 議案第33号、平成22年度春日部市一般会計予算案について、反対の立場から討論いたします。

 昨年10月、春日部市は現下の急激な経済の落ち込みから、平成22年度の予算編成の見通しで、約43億円の歳入不足が見込まれるとして、「新緊急財政健全化計画」を策定し、安定的な収支バランスを確保するために、徹底した財政運営の見直しを行うことを宣言し、その上で、
「これからの取組みは、行政の自助努力のみで成し得るものではなく、市民の皆様のご理解とご協力がぜひとも必要です」
 と市民に向けて理解と協力を求めています。

 その後11月には、歳出見通しも含めて、予算編成には約82.5億円の財源不足が見込まれる、との発表もありました。
 このような緊急事態にあたって予算編成に当たった、財務・財政当局はじめ、全職員の皆さんのご苦労はさぞ大変だったとこと思われ、その労をねぎらいたい思いは強くあります。

 しかしながら、このような状況を乗り越えての予算編成をみますと、大きな疑問を持たざるを得ません。

 まず、予算の審議に先立ち、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいとして述べられた市長の市政方針の中で、
【責任ある姿勢運営】として、はっきり、「春日部市の将来あるべき姿を描き、今やらなければならないことや将来の発展のために必要なことを進めていくこと、そして将来の世代に安易に負担を回すことのないよう、しっかりと財政規律を維持していくことを両立していかなければなりません。
 とし、再び、「時として市民の皆様にとって厳しい改革案を示すことにならざるを得ません」
 と述べておられるのにもかかわらず、その後に続く予算案の概要では、市民の皆さんにご負担を頂く点には一切ふれず、「日本一に幸せに暮らせるまち」という目標達成のための施策のみが述べられております。つまりプラス面だけが並んでいます。
 このようなことで本当に、市民の皆さんのご理解とご協力が得られるのでしょうか。市民の皆さんのご理解を求める姿勢なのでしょうか。

 これは単に言葉尻をとらえているつもりではありません。ここに、平成22年度の予算編成の本質的な問題が象徴されているように思われるからです。

 具体的な問題点については、すでに反対討論の中で述べられていますから重複は避けますが、さまざまな負担増が予算案の中で突然明らかになるようなやり方は、納税者である市民の不信を招くだけです。その前段で、このような財政状況であり、行政側もこれだけ身を削る思いで削減に勤めた結果、まだこれだけの財源が不足するので、負担増をお願いしたい、とする姿勢こそ、この財政状況を乗り切るために必要なのではないでしょうか。

 さらに、今年度の予算編成もまた、市債の借入に頼ったものとなっています。

 地方交付税の先食いとして慎重な活用が必要と指摘されている「臨時財政対策債」は、当初、地方財政の財源不足の手当として3年間の見通しが恒常的となり、さらにその金額がますます増えつつあります。そのような中で、合併特例債のみならず、議案第1号の中で述べたように、「地域振興基金」を積み立てるための市債の借入9億5000万円、そして今後職員2名を削減した削減額を返済に充てるという退職手当債1億5000万円などが盛り込まれています。

 これが本当に、将来の世代に安易にツケを回さない財政運営であるのか、あるいは市長が市政方針で述べている「財政規律を維持することになる予算編成といえるのか、あるいはピンチをチャンスに変えるために、従来の手法に頼らない大きな変革を期待していた市民の期待にかなったものか、という点で大きな疑問が残ります。

 以上の理由から、本予算案には反対いたします。


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