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2010年12月議会一般質問

その1・地域公共交通総合連携計画について(2)

2回目の質問

 2回目の質問をさせていただきますが、大分残り時間が少なくなってまいりましたので、ポイントを絞って質問させていただきます。

☆コミュニティバスの利便性そのものの検討が行われなかったのは疑問

 1つ目の地域公共交通総合連携計画です。お伺いしたいことがたくさんあるのですけれども、時間がありませんので、1点に絞らせていただきます。

 春バスは、この総合連携計画の中、並行して行われたという割には春バスが別建てになってやられているというところが一番大きな問題だと思っています。
 多くの自治体の中でこの公共交通総合連携計画を立てていくときの柱としているのが、市が走らせている市営バスあるいはコミュニティーバス、そういったものが現在かなり多くの自治体で空気を運んでいると言われている状態になる。
 つまり、使い勝手が悪く、利便性が非常に低いために行政コストが大きくかかってしまう、だから新しい公共交通のサービスが考えられないものかというところが発想の根底にあるはずです。

 その点、春日部市の、私は、この協議の中でその点についてきちんと検討していたという経過がなかなか協議会の会議録を見ても出てまいりませんので、お聞きしております。

 第5回の協議会の中でも、具体的な新たな公共交通サービスはどうするのかという議論が深まっていないというのがよくわかりました。
 これはとりもなおさず、行政の側で新たな公共交通サービスに対して、例えばディマンド交通などに対しての資料等を検討材料としてきちんと提示していたのかどうかが非常に気になるところです。

☆春バスの利用量の予測が,生活実態に基づいているのか

 春バス、行政経費については、現行のところで156から250に上がるのでというような話とか、その基盤となる利用者数なのですけれども、時間帯によって目的別に新ルートをつくっていて、その中の通勤する人、通学する人、病院に通院する人、目的別の利用量、これは利用人数だと思うのですけれども、それを検討して1日887人とはじき出しているということですけれども、しかし、これが現実的な数字なのかというところを非常に疑問に思っています。

 春バスの、私、この間も全協で問題にさせていただいたのですけれども、例えば武里から藤の牛島というルートがありますね。確かに、武里団地から一ノ割を通って、厚生病院を通って、総合中央病院を通って藤の牛島に行くというルートですけれども、病院施設は2カ所通っています。
 だから、病院に行く人が利用できるのか、そうではないはずですよね。武里団地に住んでいる方は、さまざまな医療機関にかかっているはずです。
 その人たちが、ここはバスが通るようになったから、こっちへ行こうという人が、ゼロではありませんけれども、それは生活実態とはかけ離れた調査なのではないですか。
 何便かはエンゼルドームに行くから、公共施設も満たしているといっても、ではご高齢の方とかはどうするのでしょう。武里団地から市役所に真っすぐ行けるルートがあったらいいねという方にとっては、これは利用できないルートになることは目に見えています。

 そういうような生活実態に合わせた実態調査のもとで、利用者数のこれだけの25万6,000人という人数をはじいているかどうか、非常に疑問に思うのです。

 これは国の補助金ではなくて、例えばこういう事業を展開するとして、例えば銀行なんかで融資を受ける場合、こんな計画で融資が認められるかどうか、そんなことだと思うのです。

☆空気を運ぶより、人間を運ぶという可能性は検討されたのか

 今、多くの自治体、先ほど申しましたように、空気を運ぶ経費をかけるのであれば、同じ経費で人間をできるだけ運ぼう、だから利便性が高い新しい公共交通サービスは何なのかということを真剣に検討し、実証実験をしております。

 先ほど申し上げたディマンド交通、現在250以上の地域で実証実験あるいは運行が実際に行われている、こんな新しい交通体系もあります。
 また、先ほど乗り合いタクシーというお話がありました。乗り合いタクシー、一見便利に見えますけれども、この総合連携計画の中で示されているのは、春バスのバス停から離れている人を乗り合いタクシーで最寄りの停留所まで運ぶというような構想になっていますけれども、これが本当に生活する人にとって便利な新しいサービスなのかどうか、十分検討していないように思われます。

 先ほど申し上げましたように、自分が行きたいところに行けない春バスに、乗り合いタクシーを使ってどのぐらいの人が行くのか。
 つまり、これから利用者の利便性というのは、自分が行きたいところに行きたい時間に行ける、そのためにはどんな交通体系があるのだろうということをきちんと協議しないままに、春バスはその新しい公共サービスと比較検討してどう運行形態をこれからつくっていくのかということが検討されないままに、この総合連携計画が策定されているとしか思えないのですけれども、その点についてどうお考えでしょうか。

☆市長はどのような公共交通体系が必要と考えるのか  

 それから、これで最後になると思いますので、市長にお伺いいたします。
 市長は、これからの春日部市のまちづくりの中で、だれもが自由に行きたいところに行けて、生き生きと暮らせるまち春日部、それをつくっていくという観点からどのような公共交通体系が求められているとお考えでしょうか。
 今議会では、私も含め多くの議員がこの計画についての質問をしております。
 その質問、答弁をお聞きになった上で、改めて市長の考えをお伺いしたいと思います。

★松沼 貴都市整備部長の答弁

 市の公共交通の考え方でございますが、各駅を中心とした交通目的と需要時間を考慮した交通体系の構築から、あらゆる世代にとって便利で持続可能な公共交通ネットワークを目指しております。

 ご提言のディマンド方式でございますが、個人の行きたい時間に行きたい場所へのサービスを提供するものととらえておりますが、このようなサービスの提供は、鉄道、路線バス、タクシー事業が発達しておる当市のような場所ではこれからの公共交通に影響を与えてしまうおそれがあると懸念をしております。
 以上のことから、連携計画では、特定の地域での導入について、地域、交通事業者、行政との協議を行うことと位置づけをしたところでございます。

 以上でございます。

★石川良三市長の答弁

 春日部市地域公共交通総合連携計画につきましては、あらゆる世代にとって便利で持続可能な公共交通ネットワークの実現を基本理念とし、市民の利便性を図るものでございます。
 今後は、関係者の皆様による連携を深めるとともに、公共交通のさらなる利便性の向上と市全体の活性化を目指していきたいと考えております。

★3回目の質問(要望)

 5分を切ってしまいましたので、最後は要望とさせていただきたいと思います。

 部長のほうから答弁がありました。鉄道網や路線バス等が発達している春日部市、本当にそうですか。
 新しいディマンド交通のようなものを導入すると、既存の交通事業者に影響を与えてしまうというご答弁でした。   本当に、これはどのような検討の上にそんな答弁がされたのか、私は非常に疑問に思っています。

 先ほど、今多くの自治体がこの計画を策定中だし、実際にさまざまな実証実験も行われていると申し上げました。

 この先進事例をよく検討してみてください。
 例えばディマンド交通を採用したことによって、実はタクシー事業者さんの利用率も上がっている自治体もあります。
 あるいは、本当に連携計画という観点から、さまざまな事業者さんと行政、そして住民が一緒になって計画をつくっていくことによって、これは山梨県の北杜市ですけれども、タクシー事業者さんたちが、これから自分たちのタクシー業界のあり方というのは、こういった本当に必要とされる人たちにいかに安価な公共交通サービスを提供するかということにあるということで、ディマンドタクシーを始め、非常に市民の皆さんから好評をいただいていて、コミュニティーバスを少しずつディマンドに置きかえようとしていたけれども、もうコミュニティーバスも廃止できるのではないかというような自治体もあります。

 今回は総合連携計画というのですから、こういった本当に全国で行われている、そんな事例をどのぐらい検討されたのでしょうか。

 それから、市長、明確な答弁をいただきました。
 市民の皆さんの利便性を高め、関係者の連携を進めていくのだということですね。

 でしたら、総合連携計画ですから、今改めて、この計画の中で総合的な見直しがなされていない点、連携が不十分だった点、それをまず見直していただき、これはまだあくまでも案ですから、もう一度練っていただいて、その中で市民の皆さんからも幅広い意見を、ただパブリックコメントを求めるというのではなく聞いて、本当に未来の春日部市にとってどんな公共交通サービスが今求められているのか、じっくり考えていただきたいと思っています。

 今のままで、春バス4台で運行するからといって、春バスの車両をふやしてしまっていいのでしょうか。そのことを本当に慎重にここで検討していただきたい。

 そのことを要望して、私の一般質問を終わらせていただきます。

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