2012年9月議会・一般質質問その4
放射能汚染対策について(4)
★2回目以降の質問 その3
もう一つの不安材料なのですが、今お子さんを持っている親御さんたちには、子どもたちの内部被曝についての不安の声が上がっています。
実際に子どもたちの内部被曝についてですけれども、関東一円の子どもたちの尿からセシウムが検出される例が出てきております。
もちろん高濃度のセシウムではありません。
ただ、このセシウムが尿中に出てくるということは、これは東大のアイソトープ研究所の児玉龍彦教授の発言ですけれども、天然由来ではなしに人工の放射性セシウムが尿とともに排せつされるというのは、体内に吸収された100分の1程度であると。
尿は腎臓の糸球体から吸収された後、再び尿道の上皮で再吸収されて尿になって出てくるので、100回ぐらいぐるぐる回ってからではないと全量が出てこないということで、これは尿中のセシウムについては定期的にきちんと検査していくべきではないかということで、お母さんたちの中で尿検査をやる方も出てきています。
この尿検査について、何らかの形で市としては支援するか、本当は検査を市がしてくれれば一番いいのですが、それはむずしいと思いますので、そういうことは検討されているのかどうか伺います。
★斎藤隆博健康保険担当部長の答弁
市内の子供たちへ尿検査を実施するか、また支援するかというご質問ですが、春日部市においては現在のところ尿検査を実施することは考えておりません。
しかしながら、今回の原発事故の放射線による健康への影響につきましては、やはり長期的に経過を見守っていくということが大切であるというふうに考えておりますので、今後東京電力を初め国や県の動向を注視するとともに、尿検査を含め放射線による健康への影響についての情報収集に努めてまいりたいというふうに考えております。
★質問
今、長期的に見守っていくということで、長期的に見守りつつも、できるだけ対策は早くしていただきたいと思うのですが、ぜひぜひその尿検査に関することをデータを集めて、できれば国のほうに健康診断の一環として東日本の子どもたちの尿検査も取り組んでもらうように要望するなり、春日部の子どもたちだけではなく、全ての子どもたちの健康を守る施策を国が展開してくれるように、市民と一緒に働きかけていっていただきたいと思います。
まだまだ言いたいことはいっぱいありますけれども、ただいま春日部市では地域防災計画を見直していると伺っています。
前に伺ったときには県の防災計画の様子を見ながらというふうなお答えがあったかと思います。
先ほどから申し上げましたように、春日部市のこの1年半の今までの経験を踏まえまして、市独自の放射能汚染対策を盛り込むべきだと考えますけれども、その点についてはどのような検討をされているでしょうか。
★本橋一好秘書広報防災担当部長の答弁
放射性物質に関する対策につきましては、平成19年3月に改定した現在の地域防災計画には定められておりません。
現在計画の改定作業を進めておりますが、その中で東日本大震災を教訓として、新たに放射性物質に関する対策を追加することを検討しております。
地域防災計画については、本市の地域に係る現状や特性を踏まえた計画として、必要となる部分について改定作業の中で取り組んでまいりたいと考えております。
★質問(要望)
地域の特性や現状を踏まえた計画を策定する意向をはっきり伺いました。
今年の6月に出されました原子力規制委員設置法の中で附帯決議が出ておりまして、その附帯決議の中で放射能の健康影響に関する国際基準については、今まで国際放射線防護委員会(ICRP)の基準に従ってきたのだけれども、今後はチェルノブイリの後の検証作業をしている欧州の放射線リスク委員会(ECRR)、こちらの基準についても十分検証し、これを施策に生かすこととしています。
先ほど子どもたちの尿のセシウムのことについて言いましたけれども、このECRR基準になりますと、低線量の内部被曝ということについての検証も随分加味してくると思います。
先ほど教育部長も、国の基準が変わればというお話がありましたが、基準値が変わってくる可能性が十分あります。
これを施策に生かすことというのは、この知見を生かして「各自治体も住民参加リスクコミュニケーション等の取り組みを検討する」というふうになっているので、ぜひこういったリスクコミュニケーションも地域防災計画の放射能汚染対策の中に積極的に盛り込んでいって、新しい情報をどんどん入れていっていただきたい、これは要望で結構です。
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